サムスンがTwitterでファンを拡大できたワケ 「令和」「クリスマス」モーメントをフル活用

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Twitter Japan Twitter Client Solutions Global Brands, Sr. Client Partner 斎藤 有人氏

「世の中で大きなイベントがあれば、その話題が即時にTwitterに上がり、イベントという『大きなモーメント』をきっかけに利用者と密にコミュニケーションを取ることができるのです。また、日本のTwitter利用者の大きな特徴の1つは、匿名性です。匿名だからこそ利用者は本音でツイートでき、企業は利用者の素直な気持ちや隠れているインサイトを理解し、効果的にリアクションを取ることもできます」(斎藤氏)

だからこそ、荻原氏は製品に対してのリアルな声には日々耳を傾けているという。製品についての疑問のツイートを発見するや、すぐさま公式アカウントから回答し、ツイート主から感謝されることもあったそうだ。

「タイムリーに利用者の声に答えることで、より距離の近い対話を行うことができ、それがブランドへの信頼感にもつながります。さらには、開発部門にもフィードバックして、よりよい製品づくりにも役立てています」(荻原氏)

「#令和最初の夢」で大きな成果

Twitterを利用している利用者の年齢層が幅広いことも、サムスンにとっては大きな魅力だった。

「今後『Galaxy』のビジネスを拡大するには、ミレニアル世代に対する情緒的価値の訴求を強化していかなければなりません。Twitterの利用者は私たちがターゲットにしている層の利用率が高く、親和性もあると考えました」(荻原氏)

その狙いがうまくはまったのが、Twitterが世の中の動きに合わせて行う大型プレゼントキャンペーンだ。サムスンは2018年の11月〜12月に行われた「#クリスマスボックス」に参画して大きな成果を上げ、新元号の決定に合わせた「#令和最初の夢」にも参画。

「『#令和最初の夢』は、一生に一度あるかないかの大きなモーメントに参画することに大きな意義を感じましたし、5月に発売予定だった新製品への期待感を高めることができるのでは、と考えました」(荻原氏)

折しも新型スマートフォンの「Galaxy S10」および「Galaxy S10+」が、キャンペーン終了から間もなくに発売される予定で、改元という大きなモーメントに乗せて、新製品への期待感を醸成することも参加した理由の1つだったのだ。

利用者がキャンペーンに参加するのはとても簡単で、参画企業のアカウントをフォローし、応募条件を満たしたツイートを行うだけだ。例えば、「Galaxy」の「#令和最初の夢」キャンペーンであれば、欲しい「Galaxy」製品名を加えてリツイートすると、その場でGalaxy Mobile Japan公式アカウントから返信が返ってくる。

「#令和最初の夢」キャンペーンで制作したクリエイティブは、「Galaxy Sシリーズ」を振り返るショートムービーだ。平成から令和に変わる中で、さまざまなメディアで時代を振り返るコンテンツが多かった。まさにそのような「モーメント」を反映したクリエイティブは利用者に響いたようで、「自分が新入社員のときに最初に手にしたスマホがS2だった」といった会話が自然と生まれ、広がっていったという。

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