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サムスンがTwitterでファンを拡大できたワケ 「令和」「クリスマス」モーメントをフル活用

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  • Twitter Japan 制作:東洋経済企画広告制作チーム
サムスンがTwitterで行った「令和最初の夢」キャンペーンの賞品となった製品
スマートフォン世界一の販売台数を誇るサムスン電子。同社が日本でのマーケティングにおいて強化しているのがTwitterの活用だ。クリスマスや新元号決定などのモーメントに合わせてTwitter施策を打つことで、これまでリーチできていなかった若い世代にもアプローチでき、フォロワーの拡大に成功している。その成功にある背景とは何だろうか。(※『会社四季報 業界地図 2019年版』より)

利用者を振り向かせる「情緒的価値」

「当社では、広告出稿の重点を旧来のマスメディアからデジタルメディアに移しています。なぜなら、利用者との距離がより近く、エンゲージメントを創出する双方向のコミュニケーションが取れるからです」

こう語るのは、サムスン電子ジャパン(以下、サムスン)でデジタルマーケティングを担当している荻原泰邦氏。それにはスマートフォン(以下、スマホ)市場の変化が背景にある。

サムスン電子ジャパン Mobile Comm Marketing Group Senior Professional 荻原 泰邦氏

発売から10年以上が経過し、日本でのスマホ市場はすでに成熟局面に入りつつある。かつては、新しい機種が発売されるたびに大きなニュースになり、ファンが販売店に押し寄せた。技術的な進化が利用者に驚きを与え、製品に対する強い関心を呼び起こすことができたからだ。しかし、利用者の要求は年々高まり、機能的価値の訴求だけでは、もはや利用者を振り向かせることが難しくなってきている。

そうした中、「Galaxy」のマーケティング施策で重要視しているのが「情緒的価値(Emotional Benefit)」だという。

「今の時代は、ブランドや製品に対する信頼感やワクワク感など、情緒的価値が購買につながると考えています。利用者に認知してもらい、ファンになってもらうためには、エンゲージメントを創出する双方向のコミュニケーションが必要です」(荻原氏)

だからこそ、冒頭で伝えているように、利用者とのタッチポイントの軸足をデジタルメディアへと移している。中でも、同社がとりわけ重要視しているのが、Twitterだ。

「Twitterは、今世の中で起きていること、話題になっていることなどの『モーメント(瞬間)』を味方につけることができるプラットフォームです。その時々の利用者の関心事に寄り添ってコミュニケーションすることで、より効果的な発信になり、われわれが重要だと考えている『情緒的価値』を訴求できると考えています」(荻原氏)

「モーメントを味方につけること」とはどういうことか。Twitter Japanの斎藤有人氏は次のように解説する。

Twitter Japan Twitter Client Solutions Global Brands, Sr. Client Partner 斎藤 有人氏

「世の中で大きなイベントがあれば、その話題が即時にTwitterに上がり、イベントという『大きなモーメント』をきっかけに利用者と密にコミュニケーションを取ることができるのです。また、日本のTwitter利用者の大きな特徴の1つは、匿名性です。匿名だからこそ利用者は本音でツイートでき、企業は利用者の素直な気持ちや隠れているインサイトを理解し、効果的にリアクションを取ることもできます」(斎藤氏)

だからこそ、荻原氏は製品に対してのリアルな声には日々耳を傾けているという。製品についての疑問のツイートを発見するや、すぐさま公式アカウントから回答し、ツイート主から感謝されることもあったそうだ。

「タイムリーに利用者の声に答えることで、より距離の近い対話を行うことができ、それがブランドへの信頼感にもつながります。さらには、開発部門にもフィードバックして、よりよい製品づくりにも役立てています」(荻原氏)

「#令和最初の夢」で大きな成果

Twitterを利用している利用者の年齢層が幅広いことも、サムスンにとっては大きな魅力だった。

「今後『Galaxy』のビジネスを拡大するには、ミレニアル世代に対する情緒的価値の訴求を強化していかなければなりません。Twitterの利用者は私たちがターゲットにしている層の利用率が高く、親和性もあると考えました」(荻原氏)

その狙いがうまくはまったのが、Twitterが世の中の動きに合わせて行う大型プレゼントキャンペーンだ。サムスンは2018年の11月〜12月に行われた「#クリスマスボックス」に参画して大きな成果を上げ、新元号の決定に合わせた「#令和最初の夢」にも参画。

「『#令和最初の夢』は、一生に一度あるかないかの大きなモーメントに参画することに大きな意義を感じましたし、5月に発売予定だった新製品への期待感を高めることができるのでは、と考えました」(荻原氏)

折しも新型スマートフォンの「Galaxy S10」および「Galaxy S10+」が、キャンペーン終了から間もなくに発売される予定で、改元という大きなモーメントに乗せて、新製品への期待感を醸成することも参加した理由の1つだったのだ。

利用者がキャンペーンに参加するのはとても簡単で、参画企業のアカウントをフォローし、応募条件を満たしたツイートを行うだけだ。例えば、「Galaxy」の「#令和最初の夢」キャンペーンであれば、欲しい「Galaxy」製品名を加えてリツイートすると、その場でGalaxy Mobile Japan公式アカウントから返信が返ってくる。

「#令和最初の夢」キャンペーンで制作したクリエイティブは、「Galaxy Sシリーズ」を振り返るショートムービーだ。平成から令和に変わる中で、さまざまなメディアで時代を振り返るコンテンツが多かった。まさにそのような「モーメント」を反映したクリエイティブは利用者に響いたようで、「自分が新入社員のときに最初に手にしたスマホがS2だった」といった会話が自然と生まれ、広がっていったという。

「キャンペーンに参画することで、新製品発表に先駆けてTwitterの中で大きな話題を生むことができました。ショートムービーの最後に新製品をほのめかすシーンを入れていたため、視聴後に当社のコーポレートサイトを訪問し、サイト上で新製品の情報を探す利用者も多く確認できました」(荻原氏)

これはTwitterがティザー広告としての役割をも担えるいい例だ。テレビCMでティザー広告を行うことはコスト面からも容易ではないが、Twitterなら予算に合わせたキャンペーンを行える。実際、「#令和最初の夢」では、動画を効果的に使うことで新商品の期待感を醸成することに成功している。

新商品のローンチ時にTwitterを活用する企業が増えている、と斎藤氏は紹介する。

「リアルタイムでライブ配信ができるなど、フォーマットの柔軟性とタイムリー性を兼ね備えているところは、Twitterの特徴でもありますし、リアルタイム性が重要な新商品ローンチ発表会などにとても適していると考えています」

オリンピックのO2O施策も

サムスンは東京2020大会のスマートフォンを含む通信機器分野のワールドワイドオリンピックパートナーとして貢献する。2019年3月には、ショールーム「Galaxy Harajuku」を東京・原宿にオープンした。

ショールーム「Galaxy Harajuku」(ギャラクシー ハラジュク)

「ここでは、若い世代のお客様に最新製品を紹介するとともにオリンピックスポンサーとしての取り組みも展示しています。Twitterも活用しながら、開催に向けて期待感を醸成し、開催期間中はさらに大いに盛り上がる場になることを願っています」(荻原氏)

これはTwitterに対する期待の表れでもある。Twitterは、リアルタイム性やインタラクティブ性に強みがあるために、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)など実店舗との連携もでき、立体的なコミュニケーションを設計できるためだ。

サムスンは、Twitterというデジタルプラットフォームを最大に活用しつつ、リアルな場も生かしながら、利用者と密度の濃いコミュニケーションを実現しようとしている。まさに「情緒的価値」を提供する仕組みができつつある。マーケティング施策を考えるうえで、Twitterの役割はますます重要になりそうだ。