サムスンがTwitterでファンを拡大できたワケ 「令和」「クリスマス」モーメントをフル活用

利用者を振り向かせる「情緒的価値」
「当社では、広告出稿の重点を旧来のマスメディアからデジタルメディアに移しています。なぜなら、利用者との距離がより近く、エンゲージメントを創出する双方向のコミュニケーションが取れるからです」
こう語るのは、サムスン電子ジャパン(以下、サムスン)でデジタルマーケティングを担当している荻原泰邦氏。それにはスマートフォン(以下、スマホ)市場の変化が背景にある。

発売から10年以上が経過し、日本でのスマホ市場はすでに成熟局面に入りつつある。かつては、新しい機種が発売されるたびに大きなニュースになり、ファンが販売店に押し寄せた。技術的な進化が利用者に驚きを与え、製品に対する強い関心を呼び起こすことができたからだ。しかし、利用者の要求は年々高まり、機能的価値の訴求だけでは、もはや利用者を振り向かせることが難しくなってきている。
そうした中、「Galaxy」のマーケティング施策で重要視しているのが「情緒的価値(Emotional Benefit)」だという。
「今の時代は、ブランドや製品に対する信頼感やワクワク感など、情緒的価値が購買につながると考えています。利用者に認知してもらい、ファンになってもらうためには、エンゲージメントを創出する双方向のコミュニケーションが必要です」(荻原氏)
だからこそ、冒頭で伝えているように、利用者とのタッチポイントの軸足をデジタルメディアへと移している。中でも、同社がとりわけ重要視しているのが、Twitterだ。
「Twitterは、今世の中で起きていること、話題になっていることなどの『モーメント(瞬間)』を味方につけることができるプラットフォームです。その時々の利用者の関心事に寄り添ってコミュニケーションすることで、より効果的な発信になり、われわれが重要だと考えている『情緒的価値』を訴求できると考えています」(荻原氏)
「モーメントを味方につけること」とはどういうことか。Twitter Japanの斎藤有人氏は次のように解説する。