「無駄なIT投資」を減らすたった1つのコツ ビジネスの勝敗を分ける「いいとこ取り」とは
過去のITシステムは、拡張性の高さがポイントの1つとされていた。事業規模が拡大したり新規事業が立ち上がる際には都度システムを見直す必要があり、追加で莫大な設備投資を要するケースも少なくなかったからである。本来のビジネスに多くのリソースを充てたい状況の中、ITシステムにヒトとカネを取られる状況は好ましくない。
そんな状況を、ハイブリッドクラウドが一変させたというわけだ。町田氏はこの点を、経営者の視点からひもとく。「まずは必要な分だけ利用し、データ量が増えたときには増加分を最適な手段で手配する。無駄な投資はしない、これがハイブリットクラウドのコンセプトです。そうして次のステップへと資金を蓄え、より幅広い経営戦略をとることができる。その時の状況に合わせたシステムを効率よく選んで運用できますから、ベンチャー企業のスモールスタートなどにも最適です」。
見据えるのは社会的課題の解決
ソフトウェアで貢献していく
世界中から大きな期待を寄せられているハイブリッドクラウド。その前提となるのが「クラウド」「モビリティー」「ビッグデータ」「ソーシャル」の4要素から成るデジタル・イノベーション・プラットフォームだ。
この中で重要なのは、意外にもソフトウェアなのだと町田氏は語る。「仮にプラットフォームが不具合を起こしても、決して情報が漏れない構造にしておく必要がある。それだけのクオリティーを備えたソフトウェアが求められています」。
しかし日本はすでに、海外に後れを取っているという。「当社が実施した調査※によると、日本企業で2年以内のハイブリッドクラウド移行を目指すと回答している企業は約24%。世界平均の41%と比べると、かなり下回っている状況です」(町田氏)。
※『Nutanix Enterprise Cloud Index』2018年6~7月、日本を含む20カ国・地域 2,300名以上の意思決定者を対象に、インターネットによるオンラインアンケート調査にて実施
少子高齢化が止まらず、深刻な人手不足が発生している日本。業務の自動化・効率化やフレキシブルな労働形態への対応は、かなり切実な課題となっている。
「顧客企業が抱える課題を一つひとつ解決することが、将来的に、大規模な社会的課題の解消につながると考えています。当社のサービスによってIT基盤が強固なものとなり、あらゆるデータを自由に、安全に、柔軟に活用することができる。働き方も多様化している今、経営陣には例えば遠隔地での業務や通勤困難時の対応などが求められていますが、盤石なネットワークがあればこうした課題も解決できる。今後もテクノロジーの開発と提供を通じて、お客様と社会に貢献していきます」(町田氏)
同社は毎年、米国と欧州、日本で顧客企業向けに年次カンファレンスを開催している。今年は「Nutanix .NEXT Japan 2019」と銘打ち、日本においては9月13日の東京を皮切りに、全5都市で開催する。ハイブリッドクラウド活用に向けた第一歩として、参加してみてはいかがだろうか。