企業が成長し続ける、経営の本質

M&Aによる事業承継と成長戦略

人口減で国内市場が縮小し、オーガニックな成長だけに頼った経営では、企業の将来は見通しにくくなっている。そこで、業績は優良でありながら、後継者不在による事業承継問題を抱える企業を取り込み、業績拡大を加速する「成長戦略としてのM&A」に、熱い視線が注がれている。東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5会場で開かれた「トップリーダーズカンファレンス2019」では「成長し続ける経営の本質」をテーマに、成功を収めてきた著名経営者の講演のほか、成長戦略としてのM&Aの魅力、M&Aを活用して成長を加速している企業の実践事例などが紹介された。
共催:東洋経済新報社 ストライク

特別講演 東京 大阪 名古屋
あなたは人生をどう歩むか
~日本を変えた起業家からの「メッセージ」~

レノバ
代表取締役会長
DDI(現KDDI)/
イー・アクセス(現ワイモバイル) 創業者
千本 倖生氏

電電公社(現NTT)のサラリーマンを辞めDDI(現KDDI)を創業した千本倖生氏は「世界経済における存在感が徐々に薄れている日本を変えるのは、起業家精神を持った経営者だ」と訴えた。米国と比較して高額な国内の長距離通話料金に疑問を抱いていた千本氏は、京セラ創業者の稲盛和夫氏に「電電公社に対抗する、民間の通信会社をつくりませんか」と説き、1984年に稲盛氏らと共同でDDIを設立。「通信業界に自由な競争環境を作ることが日本の将来のためになる」という使命感で、今や時価総額約7兆円企業の礎を築いた。

日本の通信自由化を先駆けた経験から「経営者は世界を見渡して他人より半歩先にトレンドを見つける鋭敏さが大事である」ことを強調。ブロードバンド革命を目指した99年のイー・アクセス(現ワイモバイル)創業では、約3カ月かけて考え抜いたビジネスプランを説明し、米国の投資銀行から資金調達に成功したことに触れ「リスクはむやみに取ればいいわけではない。徹底した準備が大切」と語った。その後、同社が資金難に陥った時も諦めず、稲盛氏の「苦しくても、社会のためになる事業ならやり抜け」という言葉を支えに、投資ファンドCEOに直談判し、追加出資を取り付けた。そして現在、日本最大級の洋上風力発電をはじめとした再生可能エネルギーによる事業に全力で挑む千本氏は「世界の大局をみて傍観者にとどまらず、自ら行動を起こすことが何よりも重要」と、日本の奮起を促した。

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