ジョエル・ティリングハスト氏(左)とサミュエル・シャモヴィッツ氏(右)
遠く離れた米国から九州のドラッグストアに投資
今から10年前、コスモス薬品の株式を保有しているという投資家がいたとすれば、小売業によほど詳しい人か、あるいは独自の目利きの力を持つ通(つう)だったに違いない。
同社は九州を地盤とするドラッグストアで、1983年に宮崎県で創業。現在は全国で1037店舗(2020年1月末)を展開し、業界内では「西のドラッグストアの雄」と呼ばれている。2004年11月には東京証券取引所マザーズ市場に上場、06年5月には東京証券取引所第1部に市場変更したが、それでも同社に注目する投資家は多いとは決して言えず、しばらくは知名度も低いままだった。
ポートフォリオ・マネージャー
ジョエル・ティリングハスト氏
だが当時、まだ小さかった地方のドラッグストアを早くも「傑出した投資先」とみていた者がいた。しかも、日本から遠く離れた米国に。
それが、フィデリティ・インベスメンツで、ポートフォリオ・マネージャーを務めていたジョエル・ティリングハスト氏だ。同ファンドは07年に投資を開始した。
「同社の販売管理費および一般管理費は、売上高のわずか14~15%と極めて効率のよい経営をしている『傑出した投資先』だったのです。その後の5年間、同社は成長を続け、徐々に市場から注目が集まり、株価収益率(PER)が増大したことで株価は大きく成長しました」
※1 テンバガー:一般的に株価が10倍になった銘柄もしくは、なると期待される銘柄のことを指します。もともと野球1試合で10塁打をあげることを意味する言葉です。
※2 「フィデリティ・世界割安成長株投信 Aコース(為替ヘッジあり)、Bコース(為替ヘッジなし)」。当該ファンドの投資対象である「フィデリティ・世界割安成長株・マザーファンド」は米国籍投資信託Fidelity® Low-Priced Stock Fund(フィデリティ・ロープライス・ストック・ファンド)と同様の運用担当者、投資哲学、運用戦略に基づき運用されています。
※3「フィデリティ・ロープライス・ストック・ファンド (米国籍投資信託Fidelity® Low Priced-Stock Fund)の1989年12月27日(設定日)~2019年12月末、米ドルベースの実績です。日本では販売されておりません。
ティリングハスト氏はコスモス薬品以外にも、日本企業の中小型株に数多く投資を行い、高い成果を上げている。同氏がポートフォリオ・マネージャーを務める「フィデリティ・ロープライス・ストック・ファンド」(Low Priced-Stock Fund:以下LPSF)」は1989年以来30年以上もの間、ベンチマークを大幅に上回るパフォーマンスを続け、この間のリターンは約43倍※3に達した。
「伝説の投資家」との出会い
LPSFの高い運用実績などにより、世界トップクラスのポートフォリオ・マネージャーとして知られるようになったティリングハスト氏だが、その転機を本人は「ピーターとの出会い」と振り返る。
ピーターとは“伝説の投資家”と呼ばれるピーター・リンチ氏。米フィデリティで1977年より13年間担当した「マゼラン・ファンド」は、米株式市場が長く低迷する間に年率約30%上昇という驚異的な運用成績を残した。ティリングハスト氏はリンチ氏の愛(まな)弟子にあたり、同氏からさまざまな薫陶を受けた。
「ピーターからの学びの1つに、会社を選ぶときは経営陣との対話が大切だ、というものがあります。どんな強みを持ち、他社とはどんな違いがあるのか。ほかとは違った優れた方針を持っていることがわかって初めて、投資をするのです」
一方、師のリンチ氏は、弟子をこのように評している。
「ティリングハストとほかのプロ投資家とを分かつ素養は、ほとんど誰も気づかないような価値を見いだす能力である。(中略)ティリングハストはまた、価格が急騰する前に長期的な成長株を見いだす、一貫した能力を示してきた」(『ティリングハストの株式投資の原則』(パン・ローリング社)序文より)
ポートフォリオ・マネージャー
サミュエル・シャモヴィッツ氏
とはいえ、ティリングハスト氏は1人でなんでもできるスーパーマンではない。本人は「投資先の選定は、私1人で到底できるものではなく、フィデリティのリサーチチームやほかのポートフォリオ・マネージャーとの連携が必須です」と語る。
サミュエル・シャモヴィッツ氏もその1人。2007年にフィデリティ・インベスメンツに入社後、11年以上にわたり、ポートフォリオ・マネージャーとして東京を拠点にグローバルで幅広いセクターの運用に従事してきた。ジョエルと同じLPSFの運用チームの一員でもある。シャモヴィッツ氏は投資先の「本源的価値」を見極めることが重要だと解説する。
「私たちは、企業のキャッシュフローや収益力などの財務分析を行い、将来の成長の見通しをしっかりとつかみます。そこで同業他社やマーケット全体との比較なども行いながら、今の株価の水準を確認しながら、バリュエーションを判断するわけです。ここで大切なのは、すでに多くの投資家から注目され、投資家が群れて集まっているようなところは避けることです。期待している投資家が少ない、あるいは見逃されているような、群衆から一歩離れている企業を見つけて投資する戦略が重要だと思います」
ちなみに、LPSFは中小型株ファンドではあるが、バイオベンチャーやITベンチャーなどはほとんど組み入れられていない。
「これらの企業は想像できる価値の幅があまりにも大きすぎて、将来のキャッシュフローの試算が難しいのです。自分がわからない分野で将来を判断するのは大きなリスクになりますから、自分が理解できる業界、その中で確固たる価値があるものに対して投資をしています」(シャモヴィッツ氏)
LPSFがITバブルの崩壊やリーマンショックなどの世界的危機に直面しても、インデックスファンドなどのベンチマークをはるかに超えるリターンを出してきたのは、ここに理由がある。
ファンドのリーマンショック前後の実績推移
受け継がれるフィデリティの哲学
2020年3月、LPSFと同様の運用担当者、運用戦略を持つファンド「フィデリティ・世界割安成長株投信 愛称 テンバガー・ハンター」※2が日本で設定を予定している。数々の結果を残してきたファンドだが、その投資哲学は決して複雑ではない。
「長期で考えること、自分が理解できるものにだけ投資すること、事業そのものが強靭で回復性があること、過大な価値で買わないこと」
ティリングハスト氏はこれらの哲学をベースに好リターンを出し続けてきた。次代を担うシャモヴィッツ氏もその考えに変わりはないが、そこへ独自の色を加えている。
「ピーターやジョエルの教えに、私はフリーキャッシュフローに注目する、という要素を足しています。縛りのないキャッシュがどれだけあるか、それを次なる成長につなげるために投資しているか。これも重要な指標だというふうに考えています」
フィデリティの投資手法が、ピーター氏からティリングハスト氏、シャモヴィッツ氏にしっかりと受け継がれ、そしてさらなる進化を遂げようとしている。「伝説」「天才」と称されるポートフォリオ・マネージャーは確かにいるが、「傑出した投資先」は、長年の確固たる哲学と組織の不断の努力によって見いだされている。
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