「スーツ×スニーカー」が今、世界的にキテる 松屋銀座が「アクティブスーツ」を推す理由

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モデルは、松屋銀座で紳士服のバイヤーを務める粟竹将氏

ビジネス街を見渡すと、「スーツ×リュック」は市民権を得た感があるが、ここ数年でさらなる進化が見て取れる。「スーツ×スニーカー」というスタイルも増えつつあるのだ。しかもこれは日本だけの現象ではないという。イタリアで開かれるメンズウェアの世界的な展示会『ピッティ・ウォモ』でも、リュックやスニーカーを合わせるスタイルを推奨する「アクティブスーツ」が席巻していた――。

見た目はスーツ、着心地はカジュアル着

アクティブスーツとは、ストレッチ生地などを使い、着用時の快適性を高めたスーツのことだ。軽い生地を使用しているだけでなく、スーツに使われる芯地や裏地を極力廃しているため、通常のスーツに比べて重量が抑えられている。また、生地にストレッチが利いているだけでなく、パンツのウエストにゴム素材が使用されているため、座ったりかがんだりする際の窮屈さが大きく軽減されているのだ。

写真左:下の正統派スーツのほうが、芯地や裏地が入っている分、襟に立体感が出る。写真右:肩も、正統派スーツのほうが、パッドが入っていてきれいなラインが出る。一方で、アクティブスーツは軽やかなラフ感が演出できる

見た目の印象も通常のスーツよりもラフになるので、リュックやスニーカーが合わせやすくなっている。

なぜこのアクティブスーツがビジネスシーンで増えてきたのか。松屋銀座で紳士服のバイヤーを務める粟竹将氏が語る。

「いちばんの要因は、ビジネスウェアのカジュアル化が年々進んでいることでしょう。1~2年前からさまざまなブランドが展開し始めていまして、一見するとスーツだけど、着心地はカジュアルウェア並みにラクという点が消費者に受けています。今年1月に訪れたメンズウェアの展示会『ピッティ・ウォモ』でも、非常に多くの海外ブランドがアクティブスーツを出品していました」

このような流れを受けて、松屋銀座では名物催事である「銀座の男」市に向け、メーカーと共同でアクティブスーツを開発。タイプの異なる3型のアクティブスーツを販売することにしたという。

「IT関係者やクリエーターなど、スーツを着る決まりがない方の仕事着におすすめですし、逆に普段スーツを着る方の”今日はちょっとラクをしたい”という1着にも重宝します。流行のビジネスリュックにも合いますし、動きやすいので自転車通勤にも向いています。また着たときの窮屈さがないため、出張などで長距離移動する際にもうってつけです」(粟竹氏)

写真左:上のアクティブスーツは、腰部分の裏側にゴム素材を入れ余裕を持たせてあり、ゆったりした履き心地を実現。写真右:素材を引っ張れば伸縮性の差が一目瞭然

松屋銀座としても新しい試みだけに、開発にはこだわりを持って当たったという。通常よりパンツのテーパードを利かせて裾幅を絞ったり、腰回りはゆったりさせたりと、試行錯誤を繰り返すことで、着心地のよさとスタイリッシュさを両立した商品が完成した。

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