「ビジネス英語」習得の鍵は、概念化にあり 定型文の丸暗記では英語で人を説得できない
ビジネス英語とは人を説得する英語
ほかとは一線を画す「時短型英語学習」により、設立から4年にも満たないものの、飽和状態ともいわれる語学ビジネス市場で早くも一頭地を抜くのが、教育系のスタートアップ企業、恵学社が運営する「StudyHacker ENGLISH COMPANY」である。
事実、ここではわずか90日間で500点台だったTOEIC®L&Rのスコアが、800点を超えることも珍しくない。これを可能にするのが「第二言語習得研究」の知見に基づく学習メソッドと、これに精通したパーソナルトレーナーによるマンツーマンの指導だ。
第二言語習得研究とは、人がどのように母語以外の言語(=第二言語)を身に付けていくのか、そのメカニズムとプロセスを科学的に解き明かしていく学問のことだ。日本を含め世界各国で研究が行われ、それに基づく効果的な教授法の研究なども進んでいる。有効性にバラつきが生じやすい属人的な経験則と違い、科学的な裏づけに基づいた学習法で、効率よく学習効果を得られるというわけだ。
「時短型英語学習」の反響は大きく、全国に13カ所あるスタジオは、現在どこも定員いっぱい。常時受講希望者が1〜2カ月待機している状態だ。これはENGLISH COMPANYの実績を物語るだけでなく、それだけ多くの人が英語を身に付ける必要に迫られていることの証しでもある。個人だけではなく、最近では、会社単位で受講を決める法人も多くなっているという。ENGLISH COMPANY 法人営業チームマネージャーの武藤圭太氏は次のように話す。
「社内研修に英語学習の導入を検討している企業は増えています。社員が個人で英語を学ぶ場合でも企業が費用の一部、あるいは全部を補助するケースが少なくありません。どちらの場合も海外赴任が差し迫っているから、海外から商談相手が頻繁に訪れるようになったからなど、動機は非常に切迫し、当然ながら、ビジネスシーンにおいてすぐに使える英語を身に付けることが求められている印象です」
企業が社員に求めているのはビジネスに有用な英語力である。いわゆる「ビジネス英語」が求められているのだ。だが、そもそも「ビジネス英語」とは何か?
日頃よく目にする言葉だが、その定義は曖昧である。これを「ビジネスにおいて、相手を英語で説得すること」と、端的に表現しているのが、ENGLISH COMPANYを運営する恵学社の代表取締役、岡健作氏だ。
「ビジネスにおけるコミュニケーションの目的とは何でしょう? 商談であれ、会議であれ、プレゼンテーションであれ、その根底にあるのは『人を説得すること』ではないでしょうか」
人を説得する英語に不可欠な概念化とは?
初級者向けから法人向けまで、各種の学習コースを設置しているENGLISH COMPANYだが、そのひとつである「上級者向けコース」に掲げられているのが、まさに「人を”説得する”ためのビジネス英語コース」なるフレーズだ。
人を説得することに、かくも重きを置くのは、日本と英語圏とではコミュニケーションのスタイルに違いがあるからだ。日本人は共感をベースに他者との距離を縮めようとするが、英語圏の人々は、相手が提示した意見に対して、なぜそう考えるのか?と、その根拠をとことん尋ねてくることが多い。共感よりも「なぜ?」で相手への関心を示すのだ。とりわけビジネスでは、論理的な思考がさらに必要となることは言うまでもない。