地域と連携して社会的課題の解決へ。
大学が担う新たな役割。
【知の拠点として培った教育・研究の成果や学内資源を地域に還元】
龍谷大学
全国初大学・行政・企業等連携による地域貢献型スキームのメガソーラー「龍谷ソーラーパーク」と
深草町家キャンパスの誕生
東日本大震災以降再生可能エネルギーへの関心が高まる中、龍谷大学は、日本の大学として初めて太陽光発電による売電利潤を地域の課題解決に役立てる事業モデルを考案し、自治体や民間企業と連携して地域貢献型メガソーラー「龍谷ソーラーパーク」を開設。
龍谷大学深草キャンパスの建物屋上と和歌山県印南町に発電所を置き、2013年11月から本格稼働している。事業主体は政策学部の教員が社長を務める「非営利型株式会社」が担い、事業費は大学からの出資と金融機関からの融資で調達。龍谷大学はこの投資を「社会的責任投資」と位置付けて実行しており、社会変革を促す投資としても注目を集めている。年間約185万kWhの発電量で約7600万円(2012年度の買取価格換算)が見込まれる売電収入から経費を抜いた利潤部分は、京都と和歌山の地域貢献活動や市民活動資金に活用されるという。地域を支える力を高めていく太陽光発電所になると言えよう。
また、龍谷大学は教育研究、地域連携拠点のひとつとして、2013年4月に京町家を改修した「深草町家キャンパス」を開設。
この京町家は、全国初となる京都市の建築基準法適用除外条例「京都市伝統的な木造建築物の保存及び活用に関する条例」の記念すべき適用第1号であり、保存建築物に登録された。新しい試みとして、より地域に根ざした継続的な活動ができるよう、大学に加え地元の自治連合会や商店街振興組合からも役員を招いたNPO法人を立ち上げ、そこに運営管理を委託するという方式を採用。学部横断型の「学生企画委員会」も設けられ、町家に関する講座や学生サークルによる町家コンサート、町家寄席を開催するなど、学生のアイデアを活かしていく。
また、学生が主体となって地域の課題解決に取り組む政策学部の実践型教育プログラム「Ryu−SEIGAP」での市民参加型ワークショップや、学生が市民グループ「京ことばの会」と共同で京文化を学ぶイベントを実施するなど、利用が広がっている。
多様なフィールドで、新たな社会との連携のあり方を模索し、持続可能な社会形成に寄与していこうとする、龍谷大学の挑戦に今後も目が離せない。