東洋経済オンラインとは

地域と連携して社会的課題の解決へ。
大学が担う新たな役割。

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
少子高齢化による人口構造の変化や地方の過疎化、地域間格差の拡大など、日本は多くの社会的課題を抱えている。教育・研究の成果を社会に還元し、社会的課題を解決することは大学の使命である。その使命を果たすべく、さまざまな形で地域と連携した事業を展開する龍谷大学。これからの大学と地域の新たなかかわり方を提示しようとしている。
「域学連携事業」における兵庫県洲本市のフィールドワーク合宿

長年にわたり、地域と連携して
公共的な課題の解決を目指してきた龍谷大学

激動する社会情勢の影響を受け複合的な要素が絡み合っている地域課題は、政府や自治体単独での解決が難しく、今後は産官学民が協働して取り組む必要がある。その中で、知の拠点として大学が担う役割は非常に大きい。世界の大学においても社会貢献の機能は大学の評価基準のひとつとして注目されるなど、国際的な潮流として、大学にはこれまで以上に地域と密接にかかわり連携することが求められている。

地域に開かれた大学として教育・研究成果を広く還元し、キャンパス所在地である京都や滋賀を中心に地域とともに発展を遂げてきた龍谷大学。1991年に瀬田キャンパス(滋賀県大津市)、2001年には深草キャンパス(京都市)に龍谷エクステンションセンター(REC)を開設し、社会連携事業を推進している。

2003年には、持続可能な地域づくりを目標に協働型社会に必要な地域社会システムについて研究する地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチセンター[LORC(現・地域公共人材・政策開発リサーチセンター)]を設置。地域のマルチパートナーシップを担える「地域公共人材」を育成するための新たな教育プログラムの開発や、産官学民と連携して「地域公共政策士」資格制度の提案に取り組んできた。

同年に大学院修士課程:研究科横断型の「NPO・地方行政研究コース」も開設し、79の連携団体(自治体・議会・NPO)と協力しながら地域公共人材の育成に注力。さらに、これらの実績を礎として2011年に政策学部と大学院政策学研究科を開設した。同時に、地域社会との連携拠点及び地域で活躍する人材を育成するプロジェクトの展開拠点として地域協働総合センターも設置し、地域連携と人材育成を一体化した新しい政策学教育に取り組んでいる。

このように地域社会と向き合った学問の発展と人材養成に力を注いできたことは、龍谷大学の特色のひとつと言えるだろう。

学生が現地に滞在して
地域の活性化事業に取り組む「域学連携事業」

龍谷大学政策学部は他大学とともに「域学連携地域活力創出モデル実証事業」(総務省2013年度採択事業)に参加し、兵庫県洲本市と京都府京丹後市において、同市や地元住民と連携して地域活性化を目指す新たな事業モデルの構築に取り組んでいる。

龍谷大学が中心的な役割を果たす兵庫県洲本市との域学連携では、地域の自然・文化・農漁業の魅力と同時に再生可能エネルギーを取り入れた住民の暮らしを滞在型観光で体験してもらうグリーン&グリーン・ツーリズムによる観光モデルを推進。2013年8月には政策学部の学生約100名が約1カ月間、洲本市に滞在するフィールドワーク合宿を開催した。現地で地域が抱える課題や知られざる魅力を調査する中で、学生らは住民の人柄や、洲本市の日常の暮らしそのものが魅力的な観光資源になることに着目。これらの魅力を広く発信するとともに、人口減少といった課題を解決するために若者定着にもつながるサポーター的な集客の増加が必要であると結論付けた。

龍谷大学大学院 政策学研究科 研究科長
地域協働総合センター センター長
白石 克孝

滞在中は地域資源を生かした観光ツアーやイベントのあり方を模索しながら、小水力発電所建設や電動漁船の活用を通じて、二酸化炭素排出量を減らすプロジェクトなどにも挑戦し、合宿の成果としてさまざまな観光モデルを提案した。各提案は今後、地域と協議しながら実現を目指すという。学生が「お客様」ではなく「地域の一員」として課題解決に取り組む姿に、地元住民から大きな期待が寄せられている。政策学研究科長及び地域協働総合センターでセンター長を務める白石克孝氏は語る。

「域学連携のような地域と連携した課題解決型の事業は、教育的効果はもちろん、大学が社会からの要請に応え、地域の持続的な発展に貢献できる仕組みとして大変意義があります」

全国初大学・行政・企業等連携による地域貢献型スキームのメガソーラー「龍谷ソーラーパーク」と
深草町家キャンパスの誕生

地域貢献型メガソーラー
「龍谷ソーラーパーク」

東日本大震災以降再生可能エネルギーへの関心が高まる中、龍谷大学は、日本の大学として初めて太陽光発電による売電利潤を地域の課題解決に役立てる事業モデルを考案し、自治体や民間企業と連携して地域貢献型メガソーラー「龍谷ソーラーパーク」を開設。

龍谷大学深草キャンパスの建物屋上と和歌山県印南町に発電所を置き、2013年11月から本格稼働している。事業主体は政策学部の教員が社長を務める「非営利型株式会社」が担い、事業費は大学からの出資と金融機関からの融資で調達。龍谷大学はこの投資を「社会的責任投資」と位置付けて実行しており、社会変革を促す投資としても注目を集めている。年間約185万kWhの発電量で約7600万円(2012年度の買取価格換算)が見込まれる売電収入から経費を抜いた利潤部分は、京都と和歌山の地域貢献活動や市民活動資金に活用されるという。地域を支える力を高めていく太陽光発電所になると言えよう。

深草町家キャンパスでの ワークショップ

また、龍谷大学は教育研究、地域連携拠点のひとつとして、2013年4月に京町家を改修した「深草町家キャンパス」を開設。

この京町家は、全国初となる京都市の建築基準法適用除外条例「京都市伝統的な木造建築物の保存及び活用に関する条例」の記念すべき適用第1号であり、保存建築物に登録された。新しい試みとして、より地域に根ざした継続的な活動ができるよう、大学に加え地元の自治連合会や商店街振興組合からも役員を招いたNPO法人を立ち上げ、そこに運営管理を委託するという方式を採用。学部横断型の「学生企画委員会」も設けられ、町家に関する講座や学生サークルによる町家コンサート、町家寄席を開催するなど、学生のアイデアを活かしていく。

また、学生が主体となって地域の課題解決に取り組む政策学部の実践型教育プログラム「Ryu−SEIGAP」での市民参加型ワークショップや、学生が市民グループ「京ことばの会」と共同で京文化を学ぶイベントを実施するなど、利用が広がっている。

多様なフィールドで、新たな社会との連携のあり方を模索し、持続可能な社会形成に寄与していこうとする、龍谷大学の挑戦に今後も目が離せない。