上場インフラファンドが今注目を集める理由 安定した収益が期待できるワケとは?
風岡 投資家の皆さんも、出力抑制が実施されるかどうかに一喜一憂するのではなく、正しい情報を把握することが大切ですね。ほかにはどのようなリスクが考えられますか。
千本 その他のリスクとしては、FIT価格の下落など、FIT制度の変更・終了リスクが考えられます。ただし、太陽光発電パネルや送電用に電気を変換するパワーコンディショナーなどの性能も向上しており、同じ日射量でも得られる電力量が格段に伸びています。今後、再生可能エネルギーのニーズはさらに高まると見込んでおり、FIT期間が終了しても安定的な収益を確保できると考えています。
西郷 冒頭で説明があった、法人税を課税しないペイスルー課税については、20年後にどうなるのか、私たちも注視しているところです。また、現状この制度の適用を受けるためには20年3月末までに上場し発電施設を取得して賃貸しなければならないという要件もあります。したがって、この制度が延長されないと、上場インフラファンドの銘柄数が増えずに市場が拡大しない懸念もあります。そのため、引き続き多くの投資家の方に評価される市場となるよう、関係者と協力し、取り組んでいきたいと思います。
石山 マクロ的なところでは、将来のインフレリスクも視野に入れておくべきだと思います。売電価格は安定していますが、値上がりすることもありません。一方でインフレに伴い、借入金利や施設の維持管理にかかる経費増などが想定されます。当投資法人では、将来のインフレにも耐えうるよう、借入金の90%以上の金利を固定化させ、安定的なキャッシュフローの実現に努めています。
インフラファンド市場の拡大にさらなる期待がかかる
風岡 最後に、今後の成長に向けて、どのような取り組みを進めていくのか聞かせてください。
石山 スポンサーグループのカナディアン・ソーラー・プロジェクトは、2017年よりスタートした太陽光発電施設の入札にも積極的に参加しています。これらを通じ、ポートフォリオをさらに拡充していく計画です。中期的には1000億円の資産規模を達成したいと考えています。
千本 アドバンテックやその他の企業からの資産取得による資産規模の拡大が必要だと考えています。並行して、バイオマス発電施設や陸上風力発電施設などの取得による電源構成の多様化、大規模発電施設の部分取得なども検討を進めていきます。これらを通じて、国内太陽光発電施設以外のさまざまなインフラ資産への投資機会を確保し、ファンド資産の質・量ともに拡充していく予定です。
西郷 今あるパイプラインの確実な取得による外部成長や、これまでの運営実績を生かした内部成長を通じ、太陽光に限らない、風力、水力などのポートフォリオの多様化や、収益性の向上を図り、その果実を投資家の皆様に最大限還元していくことで、さらなる成長を図りたいと考えています。
風岡 このようにインフラファンド市場は、投資法人の取り組みもあり、着実に成長しています。市場が大きくなり、市場の流動性が増すことで、機関投資家など参加者の裾野が広がれば、多くの資金がインフラファンド市場に流入し、さらなる投資法人の成長にもつながるのではないでしょうか。また、太陽光に限らず、風力、水力、バイオマスなど資産クラスが多様化していき、ESG投資や日本のエネルギーを支えるという点でも、今後も価値のある商品になっていくと期待をしています。
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