「プレゼントにブランドもの」はもう古い? 「ハズさない」ギフトに大事なQOLの視点

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「ほんの数十年前までは、衣食住をはじめ生活の基本となるものを満たす消費がメインでした。ところが近年はそうしたものが消費者の手元にひととおり出揃ったことで欲求が一段進化し、より生活の質=クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を上げる消費の傾向が強くなっています。イエナカ消費にもそれが如実に表れています」(永井氏)

せっかく贈っても"外す"可能性が大!?

では、こうした消費の傾向をふまえ、ギフトはどう選べばいいのだろう?ポイントとなるのは、「相手のことをきちんと知ること」だという。

「近年は、たとえば『お中元といえばサラダ油』といった方程式のようなものが、以前ほど通用しなくなっています。価値観の多様化で『うちはイタリアのオリーブオイルしか使わないんだよ……』といったことが起こりやすくなっているからです。要はせっかくギフトを贈っても、"外す"可能性が高くなってきている。結婚式で、選べるカタログスタイルの引き出物が増えているのも、そうした背景があります。

だから贈り物をする際は、相手のライフスタイルや価値観、困っていることを理解したうえで、本当に必要なもの・喜ばれるものを贈る。贈り物の基本ではありますが、その重要性がより増してきているというわけです」(永井氏)

永井 孝尚(ながい たかひさ) マーケティング戦略コンサルタント 1984年に慶應義塾大学工学部(現・理工学部)を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社して独立、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任。執筆の傍ら、幅広い企業や団体を対象に新規事業開発支援を行う一方、毎年2000人以上に講演や研修を提供しマーケティング戦略の面白さを伝え続けている。主な著書にシリーズ60万部『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA/中経出版刊)、10万部『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』(SB新書)。最新著書は『なんで、その価格で売れちゃうの?』(PHP新書)。

そうした基本はふまえつつ、現代人特有の需要が高く、"外しにくい"ジャンルもある。それが、「イエナカ消費」であり「クオリティ・オブ・ライフ」を支える、睡眠・休養系のグッズだ。永井氏はこう話す。

「現代人は日中、ストレスにさらされ続けています。ITの進化によって情報量が圧倒的に多くなっているうえに、スマホやタブレットのおかげでいつでもどこでも仕事が追いかけてくるからです。便利になったおかげで昔より仕事量も、仕事の密度も増している。いうなれば、身体を覚醒させ緊張を高める『交感神経』を酷使している状態です。そこで重宝するのが、睡眠・休養系アイテムなんです」(永井氏)

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