「プレゼントにブランドもの」はもう古い? 「ハズさない」ギフトに大事なQOLの視点

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ギフト品の傾向が近年、大きく変わりつつある。消費者の価値観が多様化し、「これさえ贈っておけばOK」といった定番品やブランドものの需要が下がっているのだ。そこで、シリーズ累計60万部超『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA/中経出版刊)の著者でマーケティング戦略コンサルタントである永井孝尚氏に、贈り物をする際にぜひ知っておきたいギフトの潮流を語ってもらった。

見栄をはるための消費が減っている

ギフトを選ぶうえでぜひ知っておきたいのが、近年の消費動向だ。まず大きな特徴として、「ニーズの細分化」が挙げられる。消費者の趣味・嗜好は年々多様化していて、それに合わせて企業が提供する商品の種類も増えている。「本当に納得できるもの、自分の価値観に合うものしか買わない」という消費傾向が強まっているのだ。その意味で、消費者は年々わがままになっているとも言える。

そしてもう一つ、近年の消費の特徴として挙げられるのが、"見栄をはるための消費"が減っていることだ。永井氏はこう話す。

「『ブランド価値』というもの自体は今でも大きな力を持っていますが、単に贅沢をするためとか、虚栄心を満たすためのブランド品はニーズが下がっています。そもそも贅沢品がステータスであるという価値観自体が後退しています。

とはいえ、決してお金を使わないわけではありません。あまり重きを置かないジャンルに関しては徹底して出費を切り詰める。かわりに特定のジャンルや自分が納得できるものに関しては、高くても買う。そんな"メリハリのあるお金の使い方"が最近の主流になりつつあるのです」

そんな中で伸びているのが「イエナカ消費」だという。

リーマンショックの頃には、節約のために外食やレジャーを抑えて家にこもることから「巣ごもり消費」とも言われていたが、近年は節約よりも家で豊かな時間を過ごすという意味合いが強くなり、「イエナカ消費」と呼ばれるようになっている。具体的には、調理グッズや調理家電、低温調理器や電気圧力鍋といった時短家電、インテリアグッズ、睡眠・休養系のグッズなどだ。また、レストランなどの「外食」と家でつくる「内食」の中間、いわゆる「中食」と呼ばれるデリバリー・惣菜市場も8年連続で市場が拡大、市場規模が10兆円の大台に乗ったという。(※)

(※)出典:日本惣菜協会「2018年版惣菜白書」

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