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ボランティア活動から見えてくる企業風土 共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞

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  • 東京都 制作:東洋経済企画広告制作チーム
東京都では、多様な立場の都民や団体が互いに支え合う共助社会づくりの実現に向け、ボランティア活動推進に関して継続的・先進的な取り組みを行っている団体などを表彰し、気運の盛り上げの一助とすることを目的として、平成28年度に「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」を創設した。今年度は第3回目で、企業、教育機関、その他民間団体から大賞4団体、特別賞5団体が決定し、3月5日に都庁で贈呈式が行われた。ここではそのうち、企業部門で大賞を受賞した2社に、取り組みの内容や成果について聞いた。

毎年約7万人の全役員・職員がさまざまな社会貢献に取り組む
【企業部門/大賞】日本生命保険相互会社

出前授業
地域清掃活動

 

日本生命保険相互会社
健康経営推進本部長
執行役員CSR推進部長
山内 千鶴

「生命保険事業の根底には共存共栄・相互扶助の精神があります。当社の社会貢献活動の原点として、その思いが受け継がれています」と、日本生命保険相互会社 健康経営推進本部長 執行役員CSR推進部長の山内千鶴氏は話す。明治20年代にコレラなどの疫病が猛威を振るった際には、コレラ予防のパンフレットの発行なども行ったという。

今回の社会貢献大賞では、毎年約7万人の全役員・職員が、さまざまな社会貢献活動に取り組み、全社的な活動を展開していることなどが評価された。「これまでも、全国の支社が中心となり、清掃活動や森の植樹・育樹活動などを行っていましたが、2015年度からはさらに『ACTION CSR-V』を展開しています」

「ACTION CSR-V」では活動内容として大きく2つの取り組みを推奨している。1つは「地域の課題に目を向けた取り組み」。もう1つは、ゴールドパートナーにもなっている東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を踏まえた「スポーツボランティアへの取り組み」だ。

具体的には、例えば、営業職員が顧客を訪問する際に、がん検診受診促進や振込詐欺防止チラシを配布したり、高齢者見守り活動、熱中症予防の声かけに取り組んだりしている。また、自治体が実施する障がい者スポーツイベントに同社職員がボランティアや観戦を通じて参加する例も多い。このほか、同社の上野にあるライフプラザ(保険相談窓口)では、外国人観光客対応の英語マニュアルを用意して案内するなど、現場のアイデアからさまざまな取り組みが生まれている。中高生を対象に同社の職員が「ライフデザイン」などを教える出前授業なども好評だ。

多彩な取り組みもさることながら、7万人もの役職員が定期的に活動に参加していることは注目に値する。山内氏は「会社から命令された『やらされ感』ではなく、職員が納得し『参加したい』と思えるように、社内にメッセージを発信しています」と話す。

「ACTION CSR-V」の社内Webサイトでは、好取り組み事例などの紹介のほか、取り組みの狙いや意義などを記載した「CSR推進ガイドブック」なども掲示されている。

「さらにそれぞれの活動についてSDGsのアイコンを加え、その取り組みがSDGsのどのゴールに貢献するか可視化しています。社会貢献活動が本業と一体であるという意識を高め、引き続き活動を広げていきたいと考えています」と山内氏は力を込める。

八王子の森育樹活動
野球教室
SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている。(外務省HPより)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

従業員が自主運営する「端数倶楽部」により社会参画
【企業部門/大賞】富士ゼロックス端数倶楽部

自然環境保護「富士山植樹祭」
社会福祉「富士ゼロックススーパーカップ 観戦ボランティア」

富士ゼロックスの社会貢献活動の歴史は長い。従業員のボランティア活動を促進する仕組みについても1990年代にはすでにボランティア休暇制度を設けている。

富士ゼロックス
CSRグループ長
端数倶楽部 事務局長
渡辺 美紀

同社CSRグループ長の渡辺美紀氏は「当社は事業そのもので社会の発展に貢献することを社是として掲げています。社員自体が社会と関わることで、よりよい仕事ができるようになる、というのが基本的な考え方です」と紹介する。

本業で培ったドキュメントソリューション技術を生かし、アジア新興国における児童への教材提供や、国内では伝統文書の複製などにも取り組んできた。ほかにも国内外で多くの活動を行っているが、今回の大賞受賞ではその内の1つ、「端数倶楽部(はすうくらぶ)」が評価された。

端数倶楽部 事務局の梁川貴司氏は「端数倶楽部は1991年に発足しました。30年近くの間、自主的かつ自発的に運営を続けています」とその特徴を語る。

富士ゼロックス
CSRグループ
端数倶楽部 事務局
梁川 貴司

会員は富士ゼロックスや関連会社の従業員で、会員数は約3400人だ。その仕組みは、毎月の給与および各期の賞与から100円未満の端数と本人の任意の寄付を加えた額が天引きされる。積み立てられた拠出金は「自然環境保護」「文化・芸術」「教育」「国際支援」「社会福祉」などの活動テーマで、会員から推薦のあった寄付先から選ばれ寄付が行われる。

寄付にあたっては会社から同額の寄付(マッチングギフト)も行われるが、梁川氏は「拠出金の使途は会員の代表で構成される約30人の運営委員が審査を行い決定します。CSRグループの事務局はあくまでサポート役です」と話す。

富士ゼロックス
佐賀営業所長
端数倶楽部 代表幹事
飯山 泰介

端数倶楽部では寄付活動のほか、自主企画のボランティア活動も活発だ。自然環境保全、社会福祉、アジア各国への国際支援や、災害発生時の被災地支援といったボランティア活動は年間約30件にも上る。運営委員で代表幹事の飯山泰介氏は「端数倶楽部は『やりたい』という人の自発的な思いで組織されています。参加するのに会社の許可は要りません。一人ひとりができる範囲で活動に参加できればいい。中には募金だけでも参加したいという人もいます。それだけに拠出金の使途を決める運営委員会の責任は重いと感じています」と言う。

年3回開催される運営委員会や毎月開催される幹事連絡会では、社歴や職級などに関係なく活発に意見が交わされるという。また再雇用者やOBなども端数倶楽部に参加できるようになっている。「今後はさらに活動の連携先を広げていきたい」と飯山氏は抱負を語る。

渡辺氏は「毎月発行する『端数ニュース』などの広報を通じ、ボランティア活動に関心を持つ従業員も増えています。社会と関わるこういった活動により、従業員の自己表現や自発性の向上、さらには組織の活性化につながると期待しています」と、その意義を強調する。

国際支援・文化教育「カンボジア小学校の外壁修復作業」
災害支援「廃棄物受入れと仕分け作業(熊本)」

「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」
/教育機関部門・その他民間団体部門受賞団体

今回の第3回「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」では、企業部門(大賞2団体/特別賞1団体)のほか、教育機関部門(大賞1団体/特別賞2団体)、その他民間団体部門(大賞1団体/特別賞2団体)が受賞した。

取り組みの概要は以下のようになっている。

【大賞/教育機関部門】
杉並区立富士見丘中学校
・近隣小学校等と連携し、ボランティア活動を20年にわたり実施。月2回の活動で年間延べ約500名が参加
・高齢者施設での花壇の整備や、ベッド清掃などを定期的に実施
・児童・生徒と地域住民、高齢者との交流を深め、生徒が主体的に社会参画する態度を涵養
【大賞/その他民間団体部門】
特定非営利活動法人
みんなのおうち
・外国にルーツを持つ子供と家族が、地域とつながりながら社会で活躍するための幅広い支援を実施
・「居場所みんなのおうち」では、家庭や地域に居場所や学習場所がない子供への居場所提供と子供食堂を毎日実施
・「こどもクラブ新宿」では、地域住民が日本語と教科学習を支援。

このほか、進路・就職・ビザなどの相談や学校での三者面談等の同行支援を実施

【特別賞/企業部門】
企業組合あうん
・元生活困窮者が、自ら労働と経営に携わり生活を守る共同事業体「企業組合」を設立。社会貢献活動としてフードバンク(※)を応援
・地域住民らとともに取り組むフードバンクの活動を初期より職員有志で担う
・地域住民、農家、生協、企業等からの食材の寄付集めに協力し、子ども食堂などに毎月1回、食材を提供しているフードバンクの活動を支援
※地域住民や企業から提供された食材を、食材を必要とする人や団体へ配布する取り組み
【特別賞/教育機関部門】
東京都立淵江高等学校
・ボランティア活動の参加生徒数の減を受け、担当教員の複数化など推進体制を再構築
・ボランティアセンターの協力を得て、活動の意義や区内の活動経験者の講演会を開催
・学年単位でマラソン大会やごみゼロ運動などさまざまな行事にボランティアとして参加。加えて、生徒個人として年間延べ150~270名が活動し、5年間で「ボランティア活動」単位認定延べ96名
大田区立貝塚中学校
・地域と連携した清掃・美化活動を毎週1回、20年間継続して実施し、現在は毎回50名程度の生徒が参加
・長年の活動を通じて、「地域の学校」として近隣住民との「きずな」を形成。生徒入学前から保護者の学校に対する好評価が広がっている
【特別賞/その他民間団体部門】
中央区環境保全ネットワーク
・子供や地域住民を対象に、環境問題への理解を深め、環境に配慮した行動を身に付ける体験型環境学習イベント「子どもとためす環境まつり」を実施
・地域住民、企業、団体などが出展するブースを子供たちが手伝い、活動を通じて環境への気づきを得られる「サーモンプロジェクト」を実施
・出展者と子供たちの世代間交流で次世代育成に貢献
杉並区町会連合会
・区と協働して清掃事業に関する研修会や懇談会、施設見学会を実施し、清掃・リサイクルに関する意識啓発を積極的に推進
・取り組みを通じて、杉並区民1人1日当たりのごみ排出量7年連続23区内最少に貢献