スマホが中高生を誘う…、援交や犯罪の危険

必要なのは「リテラシー」ではなく「モラル」

(写真はイメージです)

生まれた時にはすでにインターネットが整備され、中高生ともなればスマートフォン(スマホ)を持つのが当たり前という現代の子どもたち。思春期にさしかかるこの年齢では、ただでさえ友達、恋愛、家族、進路、部活などの悩みも多いのに、スマホの登場によってトラブルの危険性がいっそう増している。中高生に迫るネットやスマホの脅威を、どう防いでいけばいいのか。千葉大学の藤川大祐教育学部教授に聞いた。

中高生の10%が1日5時間以上スマホ漬け

――スマホを持ち始める年齢がどんどん早くなっているようですが、中高生のスマホ利用で問題になっていることはどのようなことでしょうか。

藤川 まず、中高生におけるスマホ利用については大きく3つの問題があるといわれています。

1つ目は、長時間の利用。ゲームや動画、SNSなど、電話以外にできることの多いスマホは、内閣府の調査で約1割の中高生が、平日でも平均5時間以上利用しているという数字が出ています。

学校の授業以外の時間などでそれだけ使用しているということは、生活時間の多くを割き、勉強はもちろん、友達と過ごしたり、スポーツをしたりという別の活動の機会損失につながっています。

また、ゲームに熱中してしまい、睡眠時間を削って朝起きられなかったり、ほかのことに手がつけられなくなったりしてしまう「ゲーム障害」は、2018年6月には世界保健機構(WHO)によって精神神経系の病気の1つだと認定されるほどになっています。

千葉大学教育学部教授
藤川大祐
1965年、東京都生まれ。東京大学大学院教育研究科博士課程単位取得満期退学後、金城学院大学助教授などを経て、2001年より千葉大学に勤務。10年より教授。内閣府「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」座長代理をはじめ、多くの国の機関や教育関連委員会で理事・委員などを歴任

2つ目は、ネットいじめです。今や中高生にとって、日常的にSNSを使って仲間内でコミュニケーションを取ることは当たり前になりました。SNSアプリでグループを作ることもありますが、相手のコメントを読んでも返事しない「既読スルー」をはじめ、グループから外したり、タイムライン機能を使って本人には見えないように悪口を書いたりということが行われています。

実はこうしたスマホのいじめトラブルの多くは、中1に多くなっています。小学生の頃はスマホやタブレットなどで動画視聴が中心だったのに、中学に入り突然コミュニケーションに使うようになるからです。スマホを持ち始める学年であるとともに、まだネットリテラシーは低く使い慣れてないことも一因でしょう。

さらに学年が上がるとネットリテラシーは高くなる一方で、もっと「相手を陥れよう」という悪意のある行為になっていく危険も高まります。誰かの写真や動画、個人情報を意図的に勝手に公開してしまうという話もあります。

※出典:内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」

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