日本経済に必要なのはTURNという価値観

アートを通じて「多様性への感性」を磨く

「その中に他者の僕が入ると 無視や拒絶する人もいますが、だんだん認識されてきて、バッと近づく人もいたりして。そこで自分がまったく知らない価値観に気づいたのです。それを持ち帰って自らの表現に生かしていくのがアーティストです。ここに大きな可能性があると思いました。アーティストが介在することで、福祉的な活動ではなくて一人ひとりの能力というものの魅力を発信していけるのではないかと思っています」

アートは"生涯現役"をもたらす力

「TURN」は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導するリーディングプロジェクトとして始まり、現在は公認文化オリンピアードとして位置付けられている。世界中から注目されるオリンピック・パラリンピックという場に向けて、われわれがアートに向ける視線が問い直されている。日比野氏はその大切さについて次のように語る。

「アートにおいては体力が絶対なものではありません。アスリートとは違い、アーティストに"働き盛り年齢"というものは存在しません。ですからそこで、ビジネスパーソンがアートの視点を取り入れた時、まず年齢から自由になれます。さらに大企業が絶対ではなく、一人であっても自分の意見・価値観を持っていれば、<あなたの代わりはいますよ>にはなりません。また手本もコピーもなく、自分しかいない中で、お互いに存在を認め合うのがアートです。価値の多様性に気づくことで、働き方とか会社組織とか需要と供給とか生産についてもすべての考え方が変わってくると思います」

TURNのある社会

TURNというプロジェクトは「障がい者とアート」にスポットをあてた話ではなく、世の中全体がどうあると良いかというところまで行き着く話だ。「人と違う」ことに価値を見出しやすいということでアートからアプローチしているが、結果的にもう少し居心地が良くて角がない社会になり、お互いが気を遣い合うことで、行政ばかりに頼らない豊かな価値観を見出せるのではないかという考えに基づいている。究極的にいえばTURNという活動は必要ないという世の中になるのが理想だ。

実は現代のビジネスパーソンも、自分と異なる価値観と向き合ったときにTURNという発想を知っていれば、ダイバーシティという難しい単語ももっと身近に感じられるだろう。

TURNは誰でも参加できるプロジェクトだ。興味を持った方は下記WEBサイトにアクセスしてみてほしい。

turn-project.com

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