建築業界の課題解決に効く「システム建築」 高品質な建物が短工期と低コストで実現
コストの高騰や人手不足の課題を解決
日本経済の景気回復が堅調に進んでいる。2012年12月から続く景気拡大局面は「いざなぎ景気」を超える戦後2番目の長さとなっている。これらを背景に、企業の設備投資も活発で、中でもeコマース(電子商取引)による物流の変革や、AI(人工知能)を用いた生産ラインの改善など、新たな分野での挑戦も目立つ。
「その一方で、ボルトなど建設資材の不足、溶接工などの職人やエンジニアの人手不足、建設会社やファブリケーター(鉄骨加工業者)の減少などに伴い、建設需要に応えられず開発や投資が計画通りに進んでいないのが現状です」と、横河システム建築の大島輝彦社長は話す。
建設業界が抱えるこれらの課題が指摘されるようになって久しい。政府は入管法を改正し19年4月からは外国人労働者の受け入れも拡大すると見込まれているが、制度設計は始まったばかりで、ただちに改善される状況ではない。
「このため、システム建築への信頼度、注目度がさらに高まると期待しています」
同社はシステム建築「yess建築(Yokogawa Engineered Structure System:イエス建築)」を開発・提供している。システム建築は、鉄骨、屋根、外壁、建具などの部材を標準化することにより高品質な建物が短工期、低コストで建築できるのが大きな特長だ。といっても、設計の自由度は高い。「yess建築」なら1ミリピッチで、建物の幅、長さ、高さなどを設定でき、要望に応じて天井クレーンの設置なども可能だ。最大60メートルもの無柱スパンに対応できるのも「yess建築」ならではだ。