交通利便性向上!人気の街「海老名」の実力 職住近接で注目の「ビナガーデンズ」とは?

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海老名駅徒歩3分の「リーフィアタワー海老名アクロスコート」

一方、西側の「くらしエリア」では、計画されている3棟のタワーマンションのうち2棟の建設が順次進められており、第1弾となる「リーフィアタワー海老名アクロスコート」は20年初旬の入居開始予定である。

また、タワーマンションを含め、ビナガーデンズ内の建物はデザインルールを設けて統一感を持たせるとともに、全体として四季が感じられるよう、周囲の緑化を進める計画だ。

さらに、ビナガーデンズの敷地内には、誰でも往来できる歩行者専用通路として、セントラルプロムナードが東西を貫き、全体のつながりがもたらされる職住近接の設計になっている。

複々線化、市との連携で
地域の価値向上に貢献

ビナガーデンズの開発は、同社の念願であった複々線化の実現と連動した計画でもある。

同社はこれまで、ラッシュ時の混雑を緩和し、より快適な輸送サービスを実現するため、列車の増発と長編成化を行ってきた。また、さらなる輸送力強化のため、東北沢~和泉多摩川間(10.4キロメートル)で上下線を各2本ずつ、計4本の線路にする複々線化を進めてきた。

そして、計画から約50年、着工から約30年の歳月を経た18年3月、ついに同区間の複々線が完成した。

さらなる増発により、最混雑区間のラッシュピーク時の混雑率が192%から151%に改善されたほか、快速急行や急行と各駅停車が別々の線路を走ることで都心部との所要時間が短縮された。また、平均遅延時間は2分4秒から48秒に短縮され、遅延回数も大幅に減少した。

当然、複々線化のメリットは海老名駅の利用者にももたらされている。

例えば、朝の通勤時間帯の新宿行き快速急行が増発され、ラッシュピーク時の海老名~新宿間の所要時間が10分短縮したほか、特急ロマンスカーは朝の通勤時間帯に7本停車。

複々線化でラッシュピーク時の海老名~新宿間の所要時間が10分短縮

さらに海老名始発で大手町へ直通運転する通勤準急を7時台に3本新設するなど、海老名からの着席機会も向上した。

「海老名駅は新宿~小田原間のちょうど中間にあり、小田急グループの中期経営計画において『周辺地域からの誘因力を有する沿線中核駅』と位置づけています。地域の発展に貢献したいとの思いで、鉄道やバスという社会インフラを運営している当社グループにとって、海老名は重要なエリアです。駅の1日平均乗降人員は、16年度から17年度の間に14万8000人から15万人へと2000人も増加しています。これはほかの地域には見られない傾向で、今後の発展に非常に期待が持てるエリアです。」

急激な発展を遂げた街では、学校やインフラの整備が追いつかず、さまざまな問題が発生する恐れがある。しかし、海老名市は、バランスを取りながら市街化調整区域の市街化区域への編入を実施しており、小田急の進めるビナガーデンズの開発についても両者で協議を重ねているほか、地域イベントの開催にも積極的に協力し合っているという。

ロマンスカー・GSE(70000形)

こうした連携は、ビナガーデンズの事業完成後も続いていく。

「完成したら終わりではなく、今後もわれわれ小田急電鉄と海老名市、近隣の事業者で、継続的にコミュニケーションを取れるコミュニティーをつくり、地域活性化に取り組んでいきたいと考えています。これはほかの開発エリアでも同様です。小田急グループの事業は鉄道をはじめ地域に根差してはじめて成り立つものです。開発が終わった後も、われわれが関わり続けることで、地域の価値向上に貢献したいと考えています」

快適な都市生活を享受しながらも身近には自然の癒やしがあり、都心部へのアクセスもよい。職住近接も可能である。誰もが思い描く暮らしの理想形が、形作られつつある。そんな海老名は、今後も発展し続け、企業の拠点としても注目される街になるだろう。

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小田急電鉄 
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