あの大企業が「茨城県」に向ける熱視線 AI、IoT、ロボット…最新技術が勢ぞろい

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本社機能移転事例

オートリブ 社長
(日本&ASEAN担当)
デイル・スティーブン・クック

オートリブ(本社/スウェーデン)は、エアバッグ、シートベルト、ステアリングホイール(ハンドル)などの自動車用安全部品の世界大手で、世界27カ国に6万6000人以上の従業員を擁しています。日本には30年以上前に進出し、日系の自動車メーカーとの信頼関係を築いてきました。当社の日本での従業員数も、約2000人まで成長しています。

自動運転車の技術開発が進む中、自動車用安全部品についても高い安全性が求められるようになっています。当社はこれまで茨城県かすみがうら市に生産・開発拠点を有していましたが、2019年2月、同拠点にも近い立地に研究開発拠点「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設する予定です。都内からもアクセスのよいつくば駅に近いこのエリアには研究者やエンジニアも多く、優れた人材の採用にも適してると感じています。

つくばエクスプレス つくば駅前 L.Bizつくば
歩行者の命を守るため開発された、歩行者用エアバッグ

「Saving More Lives(より多くの命を守る)」というビジョンを実現するために、同センターを核に、日本から世界に向けて新しいアイデアやテクノロジーを発信したいと考えています。

人材や産業が集積する茨城県のポテンシャル

茨城県に進出する理由としては、「人や産業の持つポテンシャルの高さ」を挙げる企業が多い。茨城県には筑波研究学園都市を中心とした最先端の研究施設のほか、日立のものづくり技術、鹿島の工業地帯などがあり、輸送用機械・産業機械から、素材、環境・新エネルギー、食品など、さまざまな産業が集積している。

特筆すべきは、人材も豊富であることだ。茨城県内には宇宙航空研究開発機構(JAXA)や産業技術総合研究所、筑波大学をはじめ29の国の研究機関などがあり、2万人を超える研究者、約150の民間研究所が集まる、国内有数の科学技術の集積地である。産官学連携の取り組みも活発に行われている。

新たな取り組みも始まっている。茨城県は18年8月、国やJAXAと連携し、宇宙ベンチャーの創出・誘致や県内企業の宇宙産業への参入を促す「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を始めると発表した。宇宙ベンチャーと投資家とのマッチングや、企業を対象とした衛星データ活用のセミナーの開催などを皮切りに、つくば市をはじめ県内に宇宙産業の集積を目指す考えだ。

新たな成長分野に挑む企業にとっては、優れた人材の採用やパートナーシップが不可欠。それらのへのアクセスという点でも、茨城県は際立っているわけだ。

茨城県では引き続き、さまざまな企業のニーズに応える環境整備を行うとともに、県内へ進出を検討している企業に対してきめ細かい情報提供やサポートを行っていく予定だ。競争が激化する中、継続した成長を目指す企業にとって、茨城県は有力な立地候補地になるだろう。