あの大企業が「茨城県」に向ける熱視線 AI、IoT、ロボット…最新技術が勢ぞろい

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このほか、雇用分として1人当たり25万~125万円の加算もある。またIT関連企業等の場合はオフィス賃料の2分の1(年間最大240万円)を3年間補助する制度があり、18年11月に水戸市内に「ITソリューション統括センター」を新設するアプリシエイトが計画認定を受けている。さらにサテライトオフィス整備の補助制度も用意している。

これらの補助制度により、製造業ほかさまざまな産業領域で、AI、IoT、ロボットなどを活用して新たな成長分野に挑む企業のニーズに応えることができそうだ。

インフラの整備が進む圏央道は県内全線開通

もちろんこうした企業が、補助だけでなく将来を見越して同県を選んでいることは言うまでもない。茨城県の魅力は具体的にどのような点だろうか。

まずは恵まれた立地だろう。都心から30~150キロというロケーションは、市場や取引企業との近接性を実現する。つくばエクスプレス(TX)ならつくばから秋葉原まで45分、JRの特急を利用すれば水戸―東京間も約70分だ。

さらに特筆すべきは、着実に進む交通インフラの整備だ。茨城県内には南北に走る常磐自動車道、東西を横断する北関東自動車道、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、東関東自動車道水戸線の4つの高速道路がある。圏央道については17年2月、茨城県内区間がすべてつながり、東名高速・中央道・関越道・東北道など6つの高速道路に、都心を通過せずアクセスできるようになった。このほか、東関東自動車道水戸線の鉾田ICから茨城空港北IC間も18年2月に開通した。

港湾や空港などの広域交通ネットワークも整備が進む。茨城港常陸那珂港区では20年までに新たな国際物流ターミナル(水深12メートル)の整備が進められており、茨城空港では国内線、国際線ともに路線が拡大している。

このように交通インフラの整備が進むことで、企業の進出も続いている。17年12月には、日本調剤の子会社の日本ジェネリックのつくば第二工場(つくば市)が完成した。同社はここに生産を集約して効率化を図る考えだ。生産は18年春より一部開始している。

カジュアル衣料品大手のアダストリアの子会社・アダストリア・ロジスティクスは茨城町中央工業団地内に新たな物流センター「茨城西物流センター」を設置、18年9月に増築工事が竣工した。北関東自動車道茨城西ICに近く広域配送に適した立地が評価された。

さらに、茨城県では圏央道の外側の県央・県北エリアにも目を向けてもらおうと、18年2月に8つの工業団地の分譲価格について、15~49%と大幅な引き下げを実施した。これにより、茨城中央(笠間地区)では学生服メーカーのトンボと納豆大手のタカノフーズが相次いで進出を決定するなど、確実に成果が現れており、現地まで見学に訪れる企業も増えている。

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