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あの大企業が「茨城県」に向ける熱視線 AI、IoT、ロボット…最新技術が勢ぞろい

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  • 茨城県 制作:東洋経済企画広告制作チーム
経済産業省が2018年3月に発表した「工場立地動向調査 2017年(1~12月)」で、茨城県は県外企業立地件数で全国1位となった。首都圏に近く交通インフラも整っていることから大手企業の製造拠点、物流拠点などの進出が相次いでいる。加えて、最近ではAI、IoT、ロボット、次世代自動車など、新たな成長分野の企業が、研究所や本社機能などを茨城県に移転するケースが増えているという。これらを引きつける茨城県の魅力はどこにあるのか。
文部科学省電源地域産業育成支援補助金充当事業

研究所・本社機能を茨城に移転する企業が増加

日立オートモティブ電動機システムズは2018年8月、電気自動車(EV)などの電動車両モーターの性能向上を目的として、茨城県ひたちなか市に研究開発拠点を新設すると発表した。稼働は19年4月の予定で、19年度には同市で生産も開始する計画だ。同社は17年7月に設立され、本社もひたちなか市に置かれている。

同社以外にも茨城県に研究所・本社機能を移転する企業が増えてきている。大手化学メーカー・クレハの子会社で高機能プラスチック素材を開発、製造、販売するクレハエクストロンは18年5月、都内大田区に所在する本社・工場機能を、茨城県かすみがうら市に全面移転すると発表した。19年10月から稼働する見込みだ。将来の業容の拡大を見込んで敷地の拡張が可能であることも移転の理由の一つだという。

タキロンシーアイの子会社でプラスチック製品の開発・製造・販売を手がけるダイプラ(大日本プラスチックスから社名変更)も、20年6月の稼働を目指して、現在千葉県松戸市にある工場および研究開発機能をかすみがうら市に移転する計画だ。

外資系企業も茨城県に注目している。スウェーデンに本社を置く自動車用安全部品メーカーの世界大手、オートリブの日本法人は19年2月に茨城県つくば市に新たな研究開発拠点「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設する。自動運転など次世代自動車に要求される安全性の高いエアバッグ、シートベルト、ハンドルなどの最先端開発拠点をここに集約する計画だ。

1社あたり最大50億円 国内屈指の補助制度

茨城県に研究所や本社機能を移転する企業が増えている理由はどこにあるのか。特色の一つに手厚い補助が挙げられるだろう。

茨城県は18年度に「本社機能移転強化促進補助事業」を新設した。先に紹介した4社はいずれも移転立地にあたり、同事業の計画認定を受けたものだ。同事業は、AIやIoT、ロボット、次世代自動車など新たな成長分野の企業の研究所や本社機能の県外からの移転が対象だ。

茨城県の企業誘致・

本社機能移転への取り組み

本県が今後も活力を維持・向上させていくためには新たな産業の創出が不可欠でございますことから、AI、IoT、ロボット、次世代自動車といった新たな成長分野の本社や研究施設などの誘致を進めております。今年度は、新たに創設した一社あたり最大50億円となる全国トップクラスの補助制度の効果等もあり、現在まで多くの企業に本県への立地を決めていただくことができました。

茨城県知事
大井川 和彦

また、本県は圏央道等の高速道路、港湾、空港が整備され、優れた事業環境を有していることから、県内外の多くの企業に生産拠点として本県を選んでいただいております。

今後も、多くの企業から本県を選んでいただけるよう、更なる事業環境の向上に努めるとともに、本県独自の優遇措置について積極的にPRしてまいります。

本県での新たなビジネス・事業展開を心よりお待ちしております。

 

注目すべきは、「1社当たり最大50億円」という、全国でもトップクラスの補助率・補助上限額だ。補助の対象となる経費は、施設設備投資、雇用、賃借料など。補助要件は、移転人数5人(研究所は10人)以上となっており、対象エリアは県内全域。補助率は、施設整備投資の10%としているが、成長分野として顕著なものは15%、その中でも世界をリードする高いシェアを誇る企業の場合はさらに加算され、最大で施設設備投資額の30%の補助も可能だという。

このほか、雇用分として1人当たり25万~125万円の加算もある。またIT関連企業等の場合はオフィス賃料の2分の1(年間最大240万円)を3年間補助する制度があり、18年11月に水戸市内に「ITソリューション統括センター」を新設するアプリシエイトが計画認定を受けている。さらにサテライトオフィス整備の補助制度も用意している。

これらの補助制度により、製造業ほかさまざまな産業領域で、AI、IoT、ロボットなどを活用して新たな成長分野に挑む企業のニーズに応えることができそうだ。

インフラの整備が進む圏央道は県内全線開通

もちろんこうした企業が、補助だけでなく将来を見越して同県を選んでいることは言うまでもない。茨城県の魅力は具体的にどのような点だろうか。

まずは恵まれた立地だろう。都心から30~150キロというロケーションは、市場や取引企業との近接性を実現する。つくばエクスプレス(TX)ならつくばから秋葉原まで45分、JRの特急を利用すれば水戸―東京間も約70分だ。

さらに特筆すべきは、着実に進む交通インフラの整備だ。茨城県内には南北に走る常磐自動車道、東西を横断する北関東自動車道、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、東関東自動車道水戸線の4つの高速道路がある。圏央道については17年2月、茨城県内区間がすべてつながり、東名高速・中央道・関越道・東北道など6つの高速道路に、都心を通過せずアクセスできるようになった。このほか、東関東自動車道水戸線の鉾田ICから茨城空港北IC間も18年2月に開通した。

港湾や空港などの広域交通ネットワークも整備が進む。茨城港常陸那珂港区では20年までに新たな国際物流ターミナル(水深12メートル)の整備が進められており、茨城空港では国内線、国際線ともに路線が拡大している。

このように交通インフラの整備が進むことで、企業の進出も続いている。17年12月には、日本調剤の子会社の日本ジェネリックのつくば第二工場(つくば市)が完成した。同社はここに生産を集約して効率化を図る考えだ。生産は18年春より一部開始している。

カジュアル衣料品大手のアダストリアの子会社・アダストリア・ロジスティクスは茨城町中央工業団地内に新たな物流センター「茨城西物流センター」を設置、18年9月に増築工事が竣工した。北関東自動車道茨城西ICに近く広域配送に適した立地が評価された。

さらに、茨城県では圏央道の外側の県央・県北エリアにも目を向けてもらおうと、18年2月に8つの工業団地の分譲価格について、15~49%と大幅な引き下げを実施した。これにより、茨城中央(笠間地区)では学生服メーカーのトンボと納豆大手のタカノフーズが相次いで進出を決定するなど、確実に成果が現れており、現地まで見学に訪れる企業も増えている。

本社機能移転事例

オートリブ 社長
(日本&ASEAN担当)
デイル・スティーブン・クック

オートリブ(本社/スウェーデン)は、エアバッグ、シートベルト、ステアリングホイール(ハンドル)などの自動車用安全部品の世界大手で、世界27カ国に6万6000人以上の従業員を擁しています。日本には30年以上前に進出し、日系の自動車メーカーとの信頼関係を築いてきました。当社の日本での従業員数も、約2000人まで成長しています。

自動運転車の技術開発が進む中、自動車用安全部品についても高い安全性が求められるようになっています。当社はこれまで茨城県かすみがうら市に生産・開発拠点を有していましたが、2019年2月、同拠点にも近い立地に研究開発拠点「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設する予定です。都内からもアクセスのよいつくば駅に近いこのエリアには研究者やエンジニアも多く、優れた人材の採用にも適してると感じています。

つくばエクスプレス つくば駅前 L.Bizつくば
歩行者の命を守るため開発された、歩行者用エアバッグ

「Saving More Lives(より多くの命を守る)」というビジョンを実現するために、同センターを核に、日本から世界に向けて新しいアイデアやテクノロジーを発信したいと考えています。

人材や産業が集積する茨城県のポテンシャル

茨城県に進出する理由としては、「人や産業の持つポテンシャルの高さ」を挙げる企業が多い。茨城県には筑波研究学園都市を中心とした最先端の研究施設のほか、日立のものづくり技術、鹿島の工業地帯などがあり、輸送用機械・産業機械から、素材、環境・新エネルギー、食品など、さまざまな産業が集積している。

特筆すべきは、人材も豊富であることだ。茨城県内には宇宙航空研究開発機構(JAXA)や産業技術総合研究所、筑波大学をはじめ29の国の研究機関などがあり、2万人を超える研究者、約150の民間研究所が集まる、国内有数の科学技術の集積地である。産官学連携の取り組みも活発に行われている。

新たな取り組みも始まっている。茨城県は18年8月、国やJAXAと連携し、宇宙ベンチャーの創出・誘致や県内企業の宇宙産業への参入を促す「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を始めると発表した。宇宙ベンチャーと投資家とのマッチングや、企業を対象とした衛星データ活用のセミナーの開催などを皮切りに、つくば市をはじめ県内に宇宙産業の集積を目指す考えだ。

新たな成長分野に挑む企業にとっては、優れた人材の採用やパートナーシップが不可欠。それらのへのアクセスという点でも、茨城県は際立っているわけだ。

茨城県では引き続き、さまざまな企業のニーズに応える環境整備を行うとともに、県内へ進出を検討している企業に対してきめ細かい情報提供やサポートを行っていく予定だ。競争が激化する中、継続した成長を目指す企業にとって、茨城県は有力な立地候補地になるだろう。