韓国で起きている反「旭日旗」現象の実態 映画「ボヘミアン・ラプソディ」にも飛び火

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2018年11月14日にディズニーの公式SNSで公開されて以来、このポスターはネットを中心にただのテントのデザインか、はたまた旭日旗に見えるかで意見が割れている。右下にテントが波打っているように見える部分があり、それがテントの天井を表していると主張するネチズン(network citizen=ネット住民)がいる一方、放射線状の紅白は何でも気に食わないといった過激な反対意見をいうネチズンもいるのだ。

だが、旭日旗問題は今に始まったことではない。今までにも色々なデザインが問題にされてきた。

ボヘミアン・ラプソディと旭日旗?

現在、日本でもヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。日本では観客動員508万人だが、韓国ではなんと日本の倍近い940万人を動員する大ヒットとなっている。これだけ韓国でブームを巻き起こしている映画だが、5月15日に20世紀FOXが公開していたティーザー映像では、ロジャー・テイラー役のベン・ハーディーが旭日旗柄に漢字で「有名」と書かれたTシャツを着ている1シーンがあった。

上がグウィリム・リーがSNSに投稿した写真、下がCGで差し替えられる前の旭日旗柄のTシャツ(写真:ともに韓国Webメディア「Newest」よりキャプチャ)

このシーンについて韓国ソンシン女子大学教養学部ソ・ギョンドク教授がフェイスブックに「クイーンは、まさに世界的に多くのファンをもった最高のロックグループだ。 その映画のティーザー映像に旭日旗が登場するなんて本当に大変なことだ」と指摘するなど、韓国ネチズンらは速攻で抗議。驚くことに20世紀FOX側は翌日にはワイン色のTシャツにCGが施された映像に差し替えた。

また、『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンのメンバー、ブライアン・メイ役を務めた俳優グウィリム・リーが映画のプロモーションのために2018年11月に東京を訪れた際、自身のSNSに掲載した写真が、背景に旭日旗のように見えるポスターが映り込んでいたことも韓国ネチズンは問題視。結局グウィリム・リーはこの写真をSNSから削除した。

このほかにも、ドラマ『ウォーキング・デッド』で人気となった韓国俳優スティーヴン・ユァンは、自身が主演する映画の監督がSNSにアップした旭日旗のTシャツを着た幼少時代の写真に「いいね」をしたことが非難され、謝罪文を韓国語と英語で掲載。2016年には少女時代のメンバー(当時)、ティファニーが光復節(8月15日、日本による植民地支配からの解放を祝う祝日)に旭日旗を連想させるロゴの入った写真をSNSにアップしたことで、謝罪と当時出演していたTV番組を降板する事態となった。

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