SMBC日興証券「デジタル戦略」次なる一手 異業種参入続々「総合証券の底力」発揮なるか

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SMBC日興証券 代表取締役社長 清水喜彦氏
フィンテックの隆盛により、証券業界を取り巻く環境が激変している。AIやソーシャルメディアと連動する証券サービスなども続々登場し競争が激しくなる中、大手総合証券のSMBC日興証券も変革を迫られている。昨年創業100周年を迎え、次の100年に向けて新たなスタートを切った今年、同社代表取締役社長の清水喜彦氏は、どのようなビジョンを描いているのか。

創業100年から新たな一歩、101年目の挑戦

これまでSMBC日興証券は、激動する日本経済の中で、お客さまからの厚い信頼、他社に先駆けた先進的な新商品・新サービスの提供を礎に、日本を代表する総合証券会社としての地位を確立してきた。創業100年目に当たる2018年にはSMBCフレンド証券との統合を行い、ビジネス基盤のさらなる強化を推進している。

だが一方で、フィンテックの広がりにより、異業種の参入が相次ぐなど、業界を取り巻く環境は激変している。若年層の取り込みに強みを持つネット証券の台頭や、米国発祥の「おつり投資」のような斬新なサービスが次々と登場する中で、これまで業界を牽引してきた大手総合証券にも、新しい取り組みが求められている。

「当社は今年、新たな100年に向けた新しいスタートの年を迎えました。創業以来の理念である『お客さま本位』を引き続き実践し、さらに、お客さまに新たな価値を提供するイノベーションが生まれやすい文化を改めて醸成していきたいと考えています。今年は、SMBC日興証券らしいさまざまな革新的なサービスを、お客さまに提供していきたいと思っています」

つねに顧客起点で新たな価値の創造を目指してきた同社が力を入れようとしているのが、デジタル化の進展による「取引形態ニーズの多様化」への対応である。

「現在、当社のお客さまは、対面で手厚いコンサルティングを必要としている方から、自らの相場観でオンライン取引をしたい方まで、多様性に富んでおります。そのようなお客さまのニーズに応えるべく、対面チャネルにおいては、営業店の人員を増強し体制を整えてきました。さらに、営業の知見をデジタルでも応用できるよう、AI(人工知能)を活用したサービスも複数開発しています」

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