《NEWS@もっと!関西》高性能エアコン、CDプレイヤーまで標準装備--
世界一進化する日本の農業用トラクター

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農業用トラクターでトレンドの変化が起きている。日本国内の農家戸数の減少に比例して、農業機械の販売は年々下降する一方だが、その状況でも装備を充実させた高級機種のトラクターには底堅い需要があるようだ。

農業機械国内最大手のクボタが昨年7月に発売した中型トラクター高級機種の「KL-415H」(42馬力)は、快適な装備が農業従事者に支持されている。

全面ガラス張りのキャビン内には風量を4段階できめ細かく調節できるエアコンの吹き出し口を8箇所も設置。冷暖房の切り換えだけでなく、外気を取り込むことでガラスの曇りを抑えることができる。中型機種で初めて、というCDプレイヤー(クラリオン製)まで標準装備。後方にある2WAYスピーカーは高級オーディオ、とまではいかないが、ラジカセ顔負けの音を響かせる。運転席横のバーに吸音材を採用し、またキャビン下に大型のマウントゴムを採用することで騒音の低減も図っている。

操作性も向上している。従来の機種に装備していたローリングセンサー(=地面の傾斜度を察知する部品)だけでなく、STセンサー(=傾斜変化率を感知する部品)を併用。これにより旋回などの動作中でも、トラクターの水平保持=斜面に沿った素早い角度修正が可能になった。KL-415Hは販売価格480万円と、従来機種よりも約3%割高にもかかわらず、「売り上げは健闘している」(トラクター技術部・元木理氏)という。

クボタが近年発売した機種は、作業灯(前面のタイヤ部分のみを照らすことができるライト)の装備や後部ウインカーを屋根部分につけることなどにより、夜間でも視認性が高まるように工夫がされている。キャビンに曲線をもたせるなど、丸みを帯びたデザインもここ数年の特徴だ。ガラス張りのキャビン装着率は約40%(小・中型機種)と、10年前から15%以上もアップしている。

機種装備の変化の背景には、07年に本格化した農政改革の影響がある。農地の集約化や大規模化が進み、その結果従事者の長時間作業が増加。つれて兼業者が増えたことで、夜間の作業時間も伸びているようだ。さらに農業従事者の高齢化に伴い、若い世代への作業移行が進む。こういった状況の中で、より快適性や静寂性がトラクターに求められているというわけだ。

無骨なイメージとは対極とも言えるトラクターの進化--。先述の元木氏は「ここまで進化しているのは日本だけかもしれない」と語る。日本人独特の細やかな配慮が製品開発に生かされた結果なのであろう。
(梅咲恵司 =東洋経済オンライン)

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