日本のエネルギーを支えるインフラファンド 高い分配金利回りとESG投資機会の提供

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また、太陽光発電の収益は、天候の影響を受けるものの、景気変動の影響は受けにくく、J-REITや株式などとは異なる値動きが予想される。東証の横田雅之氏は「効果的な分散投資の対象ととらえることもできるでしょう」と、新たな資産クラスとしての可能性に言及する。

主力電源となる再エネ発電の豊かな将来性

太陽光発電を含む再エネについては、今夏の第5次エネルギー基本計画で、「主力電源化」を目指す方針が明確に示された。これまで、割高な発電コストという経済性がネックだったが、資源エネルギー庁の山崎琢矢氏は「世界的には、太陽光、風力の発電コストは急速に下がり、投資額では火力や原子力を凌駕する存在になっています」と述べ、近い将来、経済性の問題をクリアした太陽光や風力を「FITの補助に頼らずに、日本を支える自立した主力電源に伸ばさなくてはなりません」と続ける。

経済産業省資源エネルギー庁
新エネルギー課長
山崎 琢矢

実際、太陽光パネルの価格は下がり続けるなど、再エネの発電コストは大幅にダウン。国内でも1キロワット時の発電コストが10円を切る再エネ施設がすでに現れている。これにより、新設される再エネ施設の電力買取価格は下がっているものの、発電事業から収益が確保できるようになっている。

東証のインフラファンド市場は、事業者が開発した再エネ施設をインフラファンドに売却。そこで得た資金を、新たな施設開発に再投資するサイクルをつくり、再エネの拡大を加速させたいというコンセプトのもとに市場が創設された。山崎氏は「今後、いっそうのコスト競争力向上に向けて、太陽光発電施設は大規模化が望まれます。インフラファンドには、そこに必要となる大きな投資資金のファイナンスの一翼を担っていただきたい」と語る。

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