日産リーフe+がもたらす、もしもの時の安心 「EVでしか目指せない世界」とは何か?
この時、もし家庭に日産リーフがあればどうなったか。62kWhのバッテリーを搭載した仕様の場合、満充電で一般家庭の2、3日分の電力が供給できるポテンシャルが備わっているため、スマホの充電はもちろん、普段と変わらない生活を送れていた可能性すらある。
それだけではない。慶應義塾大学理工学部の西宏章教授は、EVが災害時に命を救う可能性もあると話す。
「大地震が起きれば津波の心配もある、そんな時にEVがあれば状況を変えることもできるでしょう。バッテリーに残っている電力は貴重なエネルギー資源となり、スマホや通信機器の充電、照明や簡単な調理にも活用できるのです」
一般家庭はさることながら、自治体がEVを持つことにも大きな意味がある。たとえば、電力が不足している避難所に優先的にEVを配車する、あるいは、太陽光発電設備のある公的施設を把握できれば、太陽光発電とEVを使って、循環的に無駄なく被災者へ電気を届けることができるだろう。
電力の分散化とEVの役割
大型の発電所がダウンした時のリスクを分散する観点から、VPP(バーチャル・パワー・プラント)と呼ばれる仕組みが、いま資源エネルギー庁などを中心に議論されている。これは、電気の需要と供給を高度なエネルギーマネジメント方法を用いて調整し、エネルギーの地産地消を行うものだ。VPPが日本全国の各地で確立されれば、一カ所の大規模発電所がダウンしても、広範囲に及ぶブラックアウトは起きにくくなる。
このVPPにおいて、EVには蓄電池としての役割が求められている。各家庭での蓄電池利用が広がることでVPPは機能しやすくなるからだ。