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「Jira」が世界の先進企業に使われる理由 もはやチームにスーパースターは必要ない

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  • アトラシアン 制作:東洋経済企画広告制作チーム

株式市場で銘柄を識別するために用いられるティッカーコード。通常は企業名を短縮して名づけられるため、無機質なアルファベットが並ぶことになる。しかし、企業名と関係なく、「TEAM」とティッカーコードを名づけた会社がある。プロジェクト管理ツール「Jira Software」で知られるオーストラリア発のソフトウエア開発企業・アトラシアンだ。

成長の秘密は、“お互いが支え合うチーム”

2002年、オーストラリアに住む二人の大学生がプロジェクト管理ツールの「Jira 1.0」を発売した。それがアトラシアンの始まりだった。

現在、アトラシアンはグローバル9拠点で2500人以上の従業員を擁し、その製品のユーザーは全世界で13万社以上にのぼる。日本では日産自動車やヤフーなどの大手企業が導入している。

アトラシアン
日本法人代表取締役社長
スチュアート・ハリントン

同社が成長を遂げた背景にはチームのパフォーマンスを最大限に引き出す企業文化があり、その精神が製品に反映されたからこそ世界中で受け入れられている。アトラシアンは、いかにして生産性の高いチーム体制をつくり、製品を磨いてきたのか。日本法人代表取締役社長のスチュアート・ハリントン氏に聞いた。

「私たちは、『Jira』のほかにもチームのコラボレーションを促して生産性を高めるさまざまなツールを提供しています。『フォーチュン500』の60%以上、そのうちのトップ100社の80%以上にアトラシアン製品をご利用いただいています」

古い物流倉庫をリノベーションした開放感溢れるオフィスは、アトラシアンの企業文化を反映

一般的に、勢いのあるベンチャー企業も、規模が大きくなるにつれて組織が硬直化していくものだ。しかしアトラシアンはスピードと柔軟性を失うことなく、むしろ進化を続けている。原動力となっているのは、同社が掲げる「Play, as a team(チームとして動く)」「Open company, no bullshit(オープンカンパニー、デタラメは無し)」「Be the change you seek(自分自身が変化の原動力になる)」といったコアバリュー(基本理念)と、それらを体現するさまざまな仕組みだ。

コアバリューの一つ「チームとして動く」は、まさにチームの生産性を高めるために欠かせないコンセプト。ただ、どれほど美しいバリューも、それを掲げるだけでは絵に描いた餅で終わる。バリューを組織に文化として定着させるには、具体的な仕掛けが必要だ。

その一つとして機能しているのが、「Kudos(賞賛)」だ。アトラシアンでは、国を越えた組織横断的なチームを組んで課題解決にあたることも多い。ただ、遠く離れた同僚に感謝の気持ちを伝えるのは容易ではない。そこで社員が利用するのが「Kudos」だ。

「『Kudos』は同僚に感謝を贈る仕組み。たとえば、日本の仕事を手伝ってくれたサンフランシスコの同僚に感謝のプレゼントを贈りたければ、社内イントラネットにある『Kudos』のリクエスト画面から入力することで、コーヒーチケットやワインなどの贈り物を現地に届けることができます。費用は会社持ちで、渡す回数の制限はありません。献身的に動く人は、机の上にワインが何十本も並んでいます」

オープンな職場で、「働きがいのある会社」1位に

「オープンカンパニー、デタラメは無し」「自分自身が変化の原動力になる」といったコアバリューも、組織力の強化に大きく貢献している。

象徴的なのは、リモートワーク環境だ。アトラシアンは2017年、タスク管理ツール「Trello」を開発するTrelloを買収した。Trelloでは7割の社員がリモートワークしているが、オフィス内にいる社員も、リモートワーク社員に合わせて、一人ひとりオンラインでコミュニケーションを取っている。

「オフラインのコミュニケーションは根回しが発生しがち。全員が個別でオンラインになれば、やりとりもすべてオープンでフェアになる」(ハリントン氏)

特筆すべきは、Trelloのやり方をアトラシアンが学ぼうとしていることだろう。

「企業規模は、買収したアトラシアンのほうが大きい。でも、チーム力を高める優れたやり方があるなら、素直に学んで取り入れるべきです」(ハリントン氏)

この例からもわかるように、アトラシアンはオープンな組織を目指して、いまも進化を続けている。そのほかにも、24時間以内に新しいアイデアを形にする「ShipIt」や、採用を決める際にスキルや経歴だけでなく、一緒にビールを飲みたい相手かどうかを判断基準にするビールテストなど、ユニークな仕組みが多い。こうした取り組みの結果、お互いに助け合う文化が醸成されて、チームの力が最大限に引き出されている。

「オープンで風通しのいい職場は、社員のエンゲージメントにも好影響を与えます。アトラシアンは『働きがいのある会社ランキング』(2014年GPTW調査、中規模部門)でオーストラリア1位になりました。エンゲージメントの高い社員が集まり、個では生み出せない大きな力を発揮していく。それがわが社の強みになっています」

あらゆる産業が“ソフトウエア・ファースト”に

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アトラシアンが提供するプロジェクト管理ツール「Jira Software」の使用画面。チケットで課題の管理が可能

オープンでお互いに助け合う文化は、それを具現化するツールがあってこそ花開く。アトラシアンが開発した「Jira Software」は、まさにチームの生産性を高めるのに最適なプロジェクト管理ツールであり、同社自身も日々発生するタスクや課題の管理に活用している。

「『Jira Software』は、社内外で分散している課題を一元管理します。進捗状況が可視化されているので、『Aさんは手が空いているから、この仕事を頼もう』、『このプロジェクトは滞りがちだから協力を募ろう』といった対応がタイムリーにできる。アジャイル開発には欠かせないツールです」

「Jira Software」がアジャイル開発で大いに力を発揮することは、ソフトウエア企業の間ですでによく知られている。ただ、前述のように、アトラシアン製品のユーザーは「フォーチュン100」の約8割に及び、自動車メーカーや金融など、あらゆる業種に広がっている。ソフトウエア企業以外にも導入されている理由を、ハリントン氏はこう語る。

「まず、いまやあらゆる産業がソフトウエア・ファーストになり、ソフトウエア開発と無縁ではいられなくなったことが大きい。また、課題やタスクが発生するのは、ソフトウエア開発の現場だけではありません。たとえば、サービスデスクに届いた要望への対応など、ビジネス系のコラボレーションでも『Jira』は効果を発揮します」

すべての人類の偉業の背後には、チームの存在がある。我々のミッションは、あらゆるチームの潜在能力を解き放つ――。

ハリントン氏は、アトラシアンの企業ミッションに触れるたび、学生時代のある光景を思い浮かべるという。

「私は大学で計算機の研究をしていました。高性能のCPU1個で計算するのと、通常のCPUを64個並べて計算するのでは、どちらが早く計算できると思いますか。答えは64個のほう。コンピュータもチームで戦ったほうが強いんです」

最後にハリントン氏は、こう語ってくれた。

「強いリーダーがトップダウンで『俺の考えたアイデアは素晴らしいから従え』という時代はもう終わりました。スーパースターは必要ない。チームの力を引き出すには、ツールを導入するだけでなく、トップが『間違ってもいいから提案しよう』というメッセージを出すことが大切です。ボトムアップで次々に声があがる環境が整い、そこにツールが加わったとき、その組織は最高の生産性を発揮するでしょう」