2019年大学入試が例年どおり難しい理由 見えてきた2019年大学入試の予測と対策

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センター試験志願者数の増加は、私立大学はもとより、国公立大学の推薦入試、AO入試でセンター試験を利用する大学が増えていることが一因と考えられる。そして、気になるのは既卒者等出願者数の増加していることだ。前年の私立大学の合格者数絞り込みの影響が現れたと言えよう。

さらに追い打ちをかけるように、文科省の定める定員超過率が前年以上に抑制された。補助金交付の見送り決定ラインが、収容定員8000人以上の大規模校で前年の1.14倍から1.10倍に、4000~7999人の中規模校で1.24倍から1.20倍に、それぞれ引き下げられたのだ。このため、18年入試は、東京の大規模校を中心に、前年以上の合格者絞り込みが行われたとみられる。不本意な結果に終わった多くの受験生が、より力をつけて19年入試に挑むことになるだろう。

制度変更目前で難化がさらに進む見込み

もう一つ、気になる施策が決定されている。18年度から10年間、東京23区内に立地する大学の定員増や学部増設の申請が不可とされたのだ。しかも、19年度も「定員管理の厳格化」は厳しい水準のまま維持される。

このように、人気の高い東京23区内立地大学の定員増の凍結、大規模校を中心とした「定員管理の厳格化」と、19年度入試には難化要因がそろうことになる。しかも、多くの大学が多様な入試枠を設けており、センター試験利用入試や同一試験併願などにより、選択肢を増やす受験生は少なくない。

入試対策には、どの大学をどのようなスケジュールで受けるか、という戦略が必要となる

こうした入試枠の利用が、19年度入試にはより拡大するだろう。そして、より多くの受験生が、併願数を増やす一方で、大学側としては合格者を絞り込むわけで、合格水準が従前よりいっそう高まることが予想されるのだ。

合格が難しくなるものの、決して次年に受験を持ち越したくない――。どの受験生も背水の陣の構えで臨むのが、19年入試である。

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