2019年大学入試が例年どおり難しい理由 見えてきた2019年大学入試の予測と対策

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4月を笑顔で迎えられるように、2019年の大学入試では万全を期したい

2019年1月から始まる大学入試は、これまでよりも合格水準が高まるとみられている。「定員管理の厳格化」施策と東京23区内の大学の定員増凍結施策が重なり、各大学が合格者を絞ると考えられているためだ。こうした中で確実な合格・入学を目指す受験生に求められるのは、賢い併願戦略である。難化要因そろい踏みの2019年入試を勝ち抜くには、各大学の入試制度はもとより、実施日程や会場にも注意を払う必要がある。

合格ラインが実質的に引き上げ

今、大学入試の様相が大きく変わっている。入試の変化といえば、20年度入試から導入される大学入学共通テストの動向が注目されている。ところが、実は別の面からの変化がすでに深く進行していることにお気づきだろうか。

発端は16年、学生数が定員を超過している大学に対して文部科学省が補助金交付を打ち切る、いわゆる「定員管理の厳格化」を開始したことだ。例年、ほとんどの私立大学は、入試・合格発表日程が自大学より後になる大学へ合格者が入学することを見込んで、定員以上の受験者を合格させている。合格者数は、各大学が過去の実績をもとに設定しているわけだが、「ふたを開けてみなければわからない」というのが実情だ。大学側としては、新年度の定員割れ回避を目指すことから、結果的に定員超過となるケースが少なくなかった。

一方、文科省はかねてから、地方の国公立大学の存続に対して危機感を抱いていたという。このため、「定員管理の厳格化」は、地方大学存続問題の解決策の一つとしても期待されている。特に大都市圏の大規模校による合格者・入学者の抱え込みを解消すれば、地方大学などへの入学者が増加すると見込めるからだ。

こうして始まった「定員管理の厳格化」。大学の募集定員が同じでも合格者数が減らされる――、つまり、合格ラインが実質的に引き上げられることとなり、この「難化」が受験生の動揺を招いたであろうことは想像に難くない。その結果、併願校の数を増やす受験生が多くなり、さらに合格が難しくなるといった悪循環が起こっていることも明らかになった。

この傾向は、大学入試センター試験志願者数の推移からも読み取れる。18年1月に行われた試験の志願者数は58万2671人と前年から6704人増加し、04年以来の58万人台となっている。子どもの絶対数が少なくなっていることを考慮すれば、異例の増加と言える。また、現役志願率も44.6%と、最高率に達した。

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