「ESG投資と成長企業」気になるリターン獲得 一生涯「減らさない」資産形成に必要な視点

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オリックス銀行アセットマネジメント部管掌役員補佐の木暮康明氏はこう解説する。

オリックス銀行
アセットマネジメント部
管掌役員補佐
木暮康明氏

「ロベコのグループ会社で、1990年代からESG投資に特化した資産運用会社『ロベコSAM』では、ESGをスコア化し蓄積しています。ロベコはこのESGに関するデータを自身の投資プロセスに統合する形で長期的に実績を上げています」

森氏も続ける。

「ロベコでは、ESG評価を運用に活用するESGインテグレーションというアクティブ運用の分野で、『ESGは長期投資パフォーマンスの向上に有効である』ことを、株式投資だけではなく社債投資の分野においても証明してきました。実際、ESGの観点を企業評価に取り入れたほうがパフォーマンスは高くなっています。これはアクティブ運用に特化したロベコだからこそ可能なことです」

企業の持続的成長に必要な数字に表れない要素

では、ESGなどの非財務情報はどの程度、企業の成長に影響するのか。

「短期的な業績動向だけではなく、企業の10~20年先を見据えた人材戦略や研究開発戦略、環境戦略など、数字に表れない定性的な要素を考慮することが、結果として企業の長期的で持続的な成長につながります。最近では、ESGのスコアが高い企業へのインデックス投資が増えてきています。また、ESGの観点で問題のある企業を排除する投資家や資産運用会社も増えてきているため、ESGは従来の株式だけではなく、社債投資の際の格下げリスクやデフォルトリスクを分析するうえでも、ますます重要になってくるでしょう」(木暮氏)

人生100年時代と呼ばれる現代においては、65歳まで働いたとしても、30年以上のセカンドライフを過ごすことになる。老後にゆとりある生活を送るためには、資産形成に対する考え方自体を見直さなければならなくなっている。

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