人手不足を救うDYMの画期的「中途採用」 ニートから正社員への就職は無謀なのか?
「こうした新卒紹介のサービスを展開する中で、就職できずにアルバイトを続ける既卒や離職したままの第二新卒、非正規の派遣で働いている方が目につくようになり、バランスが崩れている状況が起きているという実感を持つようになりました。これは、実際にユーザーの顔が見えるイベントをやってきたからこそ判明した実情です。ニートやフリーターをしている方は能力や意欲がないというわけではなく、むしろ環境さえあれば働きたいと思っています。整備されたキャリアプランや研修制度がある企業であれば、それに見合った働きは十分に期待できます。企業にしても、若手人材を採用したいという意向は強く、お互いの課題が一致している。そこで17年にこの就職支援サービスを始めることにしたのです」(沖之城氏)
この「DYM就職」事業では、まず自社のウェブ広告を介して求職者を募集しリクルーターと求人内容について面談を行う。その後、各企業に求職者を紹介していくという仕組みだ。昨今の転職市場では、データベースを活用した条件面でのマッチングによるものがほとんどだが、DYMでは、このリクルーターによる紹介というスタイルを貫いている。企業と求職者双方に徹底的に寄り添うリクルーターがいることで、単に経歴やスキルを機械的にマッチングさせるだけでは見えない、人間性まで考慮した採用を可能にし、両者から好評を得ているのだ。
新卒採用で失敗しても、やり直しは可能
「社会に出て、ニートやフリーターになってしまった方にとっては、正社員としての就職は難しく思われるかもしれません。しかし、今は就職したい方には道は開けている状況です。今後も人手不足が続く中で、営業職では年間で100名近く採用する企業もあり、第二新卒、ニート、フリーターの方も採用の対象にしたいという意向の企業は多い。そうした企業では、特に20代の若手人材を求める傾向にあります」(沖之城氏)
会社組織における年齢別ピラミッドの中では、今、圧倒的に20代が少ない。将来の組織構成を考慮すると、20代社員の比率を上げたいという企業は多い。
「たとえば、人材派遣会社であれば、受け入れ先の会社からの明確な要望として、若手が欲しいと言われる状況にあります。特にIT、建設などの技術系の仕事は一定期間の教育を必要とするので、仕事の吸収も早い若手を欲しがる傾向にあるのです」