立命館が担うスポーツビジネス「変化の3年」 ゴールデン・スポーツイヤーズが来年始まる
「フロンティアメイカー育成講座」で講師を務めるアシックススポーツ工学研究所研究推進部部長の勝真理氏は、次のように話す。
「モノづくりのために収集したさまざまなデータを活用して、新しい価値を生み出すために注力してきました。独自技術を開発して差別化を実現し、その結果、直営店での物販と連動したサービスの提供やヘルスケア事業領域での事業展開につなげることができました」
自社リソースを再活用して利益を生み出すのは、簡単ではない。思考もプロダクトアウトに偏りがちで、斬新なものが生まれにくく、社内調整という労力も甚大だ。新たなビジネスを生み出した実際のプロセスに接することは、どの業界・分野のビジネスパーソンにとっても役立つだろう。
受講生同士の化学変化が新ビジネス創造へ?
企業内での新規事業立ち上げという点では、いつでもどこでもプロ野球チームを応援できるウェアラブル端末「funband」を開発したシャープIoT HE事業本部の廣澤慶二氏の話も大いに参考となる。廣澤氏はそれまで新規事業に携わったことがなく、何度も挫折を繰り返しながら事業化に取り込んだ。自らのスキルを磨きつつ、同じ志を持つ仲間を巻き込んで非公認の検討チームを作り上げ、ついにプロジェクト化できたという。
「個人ができることは小さいけれども、自分の思いに周囲を巻き込んで進める力は、どの業種でも求められる資質です」との言葉は、企業内で変革を志すビジネスパーソンにとって重く、かつ頼もしく響くはずだ。
これらの「フロンティア創造者」の経験を追体験できることは、業界・ポジションを問わず大きな「気づき」をもたらす。そればかりか、「講師もこの講座での出会いで自らのビジネスや発想のさらなる変革を期待している」(前出・善本氏)とあって、講師や他の受講生との間に起こる化学変化によって、新たなビジネス創出の場になる可能性も十分にある。
「自分のビジネスフィールドを生かしつつスポーツ産業に参入したい」という衝動を抱えているビジネスパーソンにとって、「Beyond Sports Initiative フロンティアメイカー育成講座」への参加は、ブレイクスルーのチャンスをつかむきっかけとなるのかもしれない。