ウォルマート日本トップ、西友売却を否定 店舗改装、新商品投入など投資を続けている

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一方で業務提携からの16年間で、財務基盤を強化し、お客様に喜んでいただくための改革も進めてきました。一般消費者の皆様から「お墨付き」をいただいた商品だけを発売するプライベートブランド「みなさまのお墨付き」などもその一つです。また、前述した「楽天西友ネットスーパー」の前身である「SEIYU ドットコム」は、「食品・日用品がいつでも安い」と多くのお客様に評価いただきました。

このほかにも、数百にも上る改革・改善を進めてきました。その結果、収益性もさらに高まっています。そして、そこで生まれた利益を価格に反映させてお客様に還元し、それがさらに売り上げを生むという好循環になっています。おかげさまで毎年プラス成長を続けています。

―― 日本でのビジネスをさらに成長させるために、具体的にどのような戦略をお考えでしょうか。

スレープ キーワードとして「鮮度」「価格」「利便性」の3つを挙げることができます。9月27日にはさいたま市の東大宮にこの3つのキーワードを具現化させた店舗をリニューアルオープンしました。「鮮度」では、地場の契約農家からの商品を拡大するなど、鮮度・品質を重視されるお客様のニーズに応える新しい売り場が生まれました。また、総菜売り場でも「できたて感」にこだわった新商品を投入します。

今、西友では『信頼を勝ち取るために、どこにも負けない価格と確かな品質で、毎日必要な商品を届ける・店舗でも、そしてネットでも』というお客様へのお約束を掲げていますが、このお約束を実現させるための最新モデルが東大宮店です。ここで得た知見を、今後の改装店舗にも生かしていく予定です。

トニーローマの新商品は、アメリカ産ポークの新ブランド「熟成うまリッチポーク」を使用。アメリカにある西友指定農場・工場のみを使用することでトレーサビリティも向上している

また、他にもお客様から高い評価をいただいているカテゴリーとして畜産商品があります。中でもアメリカ産アンガスビーフは2016年の発売開始以来、ヒット商品となっています。この勢いをさらに加速させるために、10月4日からは日本では初となるトニーローマ(バーベキューリブで有名な米のレストラン)との提携により、ご家庭で簡単にレストランの味を楽しんでいただける新商品の販売を開始します。トニーローマのオリジナルバーベキューリブなどのポーク4アイテム、シーフード2アイテム、ソース3アイテムを、国内では西友が2年間の独占契約で販売します。これも、ウォルマートのグローバルパートナーシップによるものです。

トニーローマの味を日本で初めてご家庭でもお楽しみいただけるという点で、今までになかった新しい体験、新しい商品を提供することができることを嬉しく思っています。今回の商品には大いに期待をしています。

―― 小売りという業界においては、Eコマース市場が年々伸長し、食品にもその影響は及んでいます。日本でのEコマース市場に対するスタンス、今後の展開をどのようにお考えですか。​

スレープ 食品・日用品をしっかりとお客様のご自宅までお届けするというのが私たちのコミットメントです。2000年に1店舗から始めたこのサービスは、現在126店舗まで広がっており、年間で20%成長しているビジネスです。今回、楽天と提携することで、もう一段高いレベルで付加価値の高いサービスを提供することができるようになります。

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