強気相場の「ロスタイム」で負けない方法

J.P.モルガンが金融のプロに教えているコト

米国の景気拡大が最終局面にさしかかっているとすれば、そのロスタイムがどれくらいあるのかが気になるところだ。

「米国の景気後退前に点灯するサインとして、注目すべきデータがあります。その一つが『米国債の長短金利差』です。一般的に10年金利は2年金利よりも高いのですが、これが逆転するとその約1年後に景気後退が起こっています。現状ではこの現象は起きていませんが、過去のデータを基に判断すると、2019年7月頃にサインが点灯し、その後1年ほどで景気後退すると予想することができます。もう一つは、『ISM製造業景況感指数』です。過去には、この指数が50を割り込むと景気後退が起こっています」

米国の景気拡大は「終盤戦」、投資家が採るべき戦略は

事前のサイン点灯までの約1年間とサイン点灯後の約1年間を合計すれば、景気後退まであと2年ほどの「ロスタイム」があることになる。そこで採るべき投資戦略とは何か。

「それも、過去の歴史から学ぶことができます。過去に終盤戦でどのようなことが起こっていたかを分析した結果、現在のマーケット状況は、『2008年のリーマンショックの景気後退』の前というよりも『2000年のITバブル崩壊後の景気後退』の前の局面に類似しているということがわかりました」と前川氏は説明する。

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企業景況感と長短金利差は、景気を読み解く上でのポイントだ

「ゴルディロックス(適温相場)」「米国一強」「IT・テクノロジー相場」などのポイントが、現在のマーケットと類似している点だという。さらに興味深い分析もある。

「再確認ですが、データによると景気後退まであと2年前後です。今回の局面がITバブル期に似ているとすれば、2年のうち前半の1年と後半の1年で、多くの資産の動きが真逆になる可能性があると見ています。

ITバブル崩壊後の景気後退2年前から1年前までは、米国の小型やグロース、モメンタム株が優位で、バリューやクオリティ、低ボラティリティ株が劣後していますが、景気後退1年前から景気後退入り直前になるとこれらが逆転します。この現象は世界株式の業種別のリターンにも共通しており、『2年前から1年前』の1年間では景気に敏感に反応する『情報技術(IT)』や『一般消費財』が優位ですが、景気後退1年前から景気後退入り直前になると、景気に左右されづらい『生活必需品』や『ヘルスケア』が優位となる逆転現象が起きていました」

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