酸っぱくないヨーグルトが大腸にいい理由 ビフィズス菌の大敵は「酸=酸っぱさ」
納豆、みそ、漬物など、古くから日本の食卓に並ぶ「発酵食品」。食品を菌によって発酵させることにより、味がおいしくなったり、体にいい成分がつくられたり、ということはよく知られるところで、ビジネスパーソンの体調管理にも一役買っているだろう。ただ、発酵させすぎると酸っぱくなりすぎたり、見た目が悪くなったりもする。発酵食品としては日本では後発のヨーグルトも、発酵のさせ方や程度によって味も菌の中身も変わってくる。しかも、ヨーグルトの場合、「酸っぱくないから菌が元気」ということもありうるのだ。
おいしいから毎日続く
読者の皆さんは発酵食品を選ぶとき、何を基準に選んでいるだろうか。お気に入りの納豆、みそ、漬物、ヨーグルトを思い浮かべてほしい。パッケージなどと一緒に味も思い出せるだろうか。
ヨーグルト選びにおいては、前回紹介したように「菌」を気にすべきだが、その一方で、「味」も重要なポイントとなる。なぜなら、健康への効果を期待するには継続してとることが必要であり、おいしいと思えなければ食べるのをやめてしまうからだ。「良薬口に苦し」とは言っても、おいしくないと思うものを毎日食べ続けるのはつらい。
そんな観点から、森永乳業の「森永ビヒダスヨーグルト(以下、ビヒダス)」に注目したい。実はこの「ビヒダス」、ヨーグルト特有の酸っぱさが抑えられているのだ。
実際に口にしてみると、酸味はかすかに感じるものの、一般的なヨーグルトのイメージからするとまろやかだ。これなら酸っぱいのが苦手な人でも、継続的においしく食べられるだろう。そして意外なことに、この“酸っぱくないこと”が、「ビヒダス」が持つパワーの源でもある。
まず「ビヒダス」は、名前が示すとおりビフィズス菌入りのヨーグルトだ。ビフィズス菌には、お腹の調子を整えるという働きがあり、「ビヒダス」は特定保健用食品=トクホにも認定されている。
整腸作用を期待するのであれば、多量のビフィズス菌を投入すればいいのでは、と思ってしまうが、話はそんなに単純ではない。ビフィズス菌は酸や酸素に弱く、非常にデリケートな性質を持つからだ。発酵させすぎると、自分が出す酸で死んでしまうほどなのだ。
そのため、「ビヒダス」の製品化=ビフィズス菌を生きたまま消費者に届けるために、知られざる工夫やこだわりがいくつもあった。