頻繁な交配で衰弱「悪徳ペット繁殖業」の実態 浅田美代子さん「日本は動物愛護法が甘い」
「今のペット業界は経済力があり、献金を受けている政治家もいる。それにペット業界ほどロビー活動(ある団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的に行う私的な政治活動)が上手な業界はないと言われています。ペット業界は何兆円もの経済効果がありますから政治への影響力は少なからずあります。逆に保護する団体側は寄付金や少ないお金で運営していますから、闘うのは本当に大変なことです。でも、反対している議員さんもペットを飼っている方もいます。“自分のペットさえよければいいんですか?”と言いたいですね。超党派の方もたくさんいるので、定期的に話し合いをしています。われわれも含め、多くの方が現状を伝えることが大事なんです」
いまだにペットショップが増えているのは日本だけ
浅田が伝えたい現状のひとつは、海外と比べ日本は動物愛護の観点で遅れているということ。ほかの先進国では、店で生体を売ることはほとんどなくなっているそうだ。
「海外でペットが欲しい場合は、ブリーダーに直接行き予約する。または保護施設に行き、どういう過程でその動物が引き取られたのか、きちんと調べてから引き取る。ビジネスにはなっていないんです。いまだにペットショップが増えているのは日本だけ。これはすごく恥ずかしいことです。ペットショップは、生体販売をせず、えさやグッズ販売、トリミングなどで生計が立てられるようになってほしいですね。ペットが欲しかったら保護施設に引き取りに行く。これが理想です」
命が粗末に扱われない社会にするために「保護犬、保護猫が当たり前の世の中になってほしい」という。 動物愛護法が改正され、浅田が願うような“動物と人間が共存する社会”は訪れるのか──。
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