百貨店大手、初の「夏セール2回実施」の功罪 冬も2回実施に向け動きだすが、課題も残る

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同社はセール期間中、伊勢丹新宿本店や三越銀座店で商品券などが当たる抽選会を催すなど、独自のイベントを同時に展開することでムードを盛り上げた。

高島屋も台風の影響はあったものの、セール期間中の売り上げはまずまずだった(編集部撮影)

高島屋も6月29日から7月10日までと、7月27日から31日までの2回に分けて実施。「6月と7月の全店売上高は、トータルで見ると前年同月比でプラスだった。台風の影響があった割には健闘した」(同社)。銀座に本店を構える老舗百貨店の松屋も、7月27日から31日までの売上高は前年同期比6.4%増だった。セールで衣料品の販売に勢いが出たという。

冬も2回セールの機運高まる

東京だけでなく、関西に店舗を構える百貨店でもセールが効果を発揮した。「旗艦店である阪急うめだ本店の7月売上高は、前年同月比0.3%増だった。セール2回実施による活性化の効果はあった」(阪急阪神百貨店)。「6月29日から7月中旬までの売上高は年同期比3%増。7月18日から7月31日までは同4%増だった」(近鉄百貨店)。

こうした結果を受け、日本百貨店協会の赤松憲会長は「冬のセールも2回に分けて実施したい」と公言。協会事務局は、2019年1月の冬セールを今夏と同様に2回実施とする方向で検討を始めた。百貨店業界には早くも、「暦からすると、1回目を1月2日から、2回目を1月25日から実施することになるのではないか」と予測する関係者もいる。

セール2回実施を評価する関係者が多い中、「効果は限定的だった」とする百貨店大手もある。

大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ. フロント リテイリングは6月27日から7月中旬まで、そして7月27日から8月8日までの2回に分けてセールを展開。ただ、「紳士服はまあまあの売り上げだったが、婦人服はそれほどでもなかった」(J. フロント)。セールの具体的な数値については公表していないが、大丸松坂屋を中心とする百貨店事業は7月の売上高が前年同月比5.7%減で、セールは不振だったようだ。

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