使用済みの紙を、オフィスで再生紙に 課題解決を価値創出につなげる先進事例

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環境負荷低減だけではないPaperLab(ペーパーラボ)がもたらす価値とは何か

小さくて大きな循環型社会。エプソンのペーパーラボは、使用済みの紙から新たな紙を生み出す乾式オフィス製紙機。使用済みの紙を給紙トレイにセットすると、60分で約720枚の再生紙をつくりだすことができる。通常A4サイズの紙1枚をつくるためにはコップ1杯分程度の水が必要といわれているが、ペーパーラボは独自のドライファイバーテクノロジーを採用することで大量の水を使わずに紙をつくることができる。大規模な給排水設備を用意する必要がないため、オフィス内の設置が可能になるのだ。
※90g/m2・A4サイズの場合

ペーパーラボを使えば、新たな紙の購入量を減らすことができる。また、使用済み用紙の処理を外部に委託している場合は、その量を減らすことで輸送手段などを使う機会も減り、紙を処理するためのトータルな環境負荷を低減できる。そればかりではない。従業員の環境意識を向上させるきっかけになる、あるいは、再生紙の用途開発によっては、地域社会などに新たな価値を創出することにつなげることもできるだろう。

そうしたことからESGやCSVを強く意識する企業を中心に導入の動きが報告されている。循環型社会に寄与する課題解決のマシンによってもう一つの価値創出にもつながっているようだ。ここでは、2社のケースを紹介しよう。

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