プラスチック業界を牽引するモノづくり戦略

成熟領域にこそ成長のチャンスがある

2017年4月1日、タキロン株式会社とシーアイ化成株式会社が経営統合し、タキロンシーアイ株式会社として新たなスタートを切って1年、予想以上の好業績で確かな一歩を刻んだ。「プラスチック加工業界のリーディングカンパニー」として社会に貢献することを経営ビジョンに掲げる同社が今後、どのような進化を遂げていくのか、期待が高まる。

タキロンシーアイ誕生、存在感を際立たせた1年

国内需要が伸び悩み、グローバルな価格競争が熾烈を極める合成樹脂業界にあって、この1年、ひときわ大きな存在感を示したのが、プラスチック加工総合メーカーのタキロンシーアイ株式会社だ。

現在、住設建材、床材、建装資材などを扱う建築資材事業、農業資材、土木資材などの環境資材事業、半導体や液晶などの産業用途からカメラなど精密機器にまで用いられる高機能材事業、包装用熱収縮フィルム、チャックテープやチャック袋などの機能フィルム事業の4領域で事業を展開する。集合住宅の改修に使用される防滑性床材のシェアが60%を超えるほか、国内の農業用フィルム市場でトップシェアを誇るなど、合併によって同社の強みがより明確になった。

2017年度の連結売上高は約1500億円、営業利益は当初予想した70億円を大幅に上回る約83億円を達成。中でも半導体や液晶製造装置向け工業用プレートが大きく収益を拡大し、同社を牽引する事業の一つになっている。「合併による一過性の利益もありましたが、不稼働資産を整理するなど『負の遺産』を一掃しながらも大幅な増収になりました。予想以上に順調なスタートを切ることができたと思っています」と代表取締役社長の南谷陽介氏は手応えを口にした。

統合シナジーを発揮し国内生産・販売を強化

タキロンシーアイグループは統合に伴い中期経営計画「Good chemistry Good growth 2020」を策定し、2020年までの4カ年計画をスタートさせた。まず統合シナジーを最大限発揮するべく構造改革に取り組む。初年度は、床事業(旧タキロン)と建装資材事業(旧シーアイ化成)の販売部門の集約を実行した。「旧企業がそれぞれ築いてきた販売体制を統一し、製造から流通、お客様対応までバリューチェーン全体を担う体制を構築しました。商品そのものだけでなく、サービスも含めてトータルで高付加価値化することで、既存事業の競争力を強化します」と南谷氏は狙いを説明する。

今年度にもグループ会社の大日本プラスチックスと日本ポリエステルそれぞれの採光建材販売部門のタキロンシーアイへの集約を予定しており、各社が個別に行っていた営業活動を一本化することでお客様へのサービスレベルを上げ、より強固な販売体制を構築する。

また生産拠点の最適化も積極的に推進する。2019年度下期には完成を目指す東京第一工場を再開発し、大日本プラスチックスで取り扱う耐圧ポリエチレンリブ管(ハウエル管)の生産を移管する計画だ。ハウエル管は、高密度ポリエチレン樹脂製で独特の中空リブ構造により、軽量でありながら優れた強靱性、耐衝撃性、柔軟性を備えているのに加え、最大口径3mまで製造可能な導水管である。同社は、ハウエル管の品質に加えて緊急災害時に在庫分から即対応できたことが高く評価され、受注を伸ばしている。東京第一工場への移管が完了すれば、ハウエル管の一大生産拠点として大幅な増産を支えることになる。

海外展開を加速しグローバルに市場を拡大

構造改革によって国内事業を強化する一方で、海外展開も加速させている。世界最大の市場であるアメリカではシュリンクフィルムの拡販を進めている。高い技術で高品質のフィルムを安定して製造できることから、同社のシュリンクフィルムは飲料水のペットボトルのほか、多様なボトルの包装に用いられ、シェアを伸ばしている。

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