日産ノートe-POWERを家族のために買う話 試乗しないとわからない「心が動く」乗り心地

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今の生活は、愛の奮闘がなければ成り立たないことは大輔もよくわかっていた。子育てと仕事を抱え、時には無理をする愛に感謝しながらも、甘えてばかりいた。クルマがあれば子どもの送り迎えや買い物の労力も軽減でき、愛が楽になるのは明らかだった。

「買うなら……」と大輔は考える。

愛も運転することや、今後の生活でさらにおカネがかかることを考慮すれば、買うならコンパクトカーだろう。調べてみると2018年上半期に最も売れた乗用車は日産のノートe-POWERというクルマらしい※2

※2 軽自動車を除く。日本自動車販売協会連合会調べ

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「これも今度試乗するの? No.1はハイブリッドじゃないのね?」

取り込んだ洗濯物を抱えながら、愛が大輔の背後からパソコンをのぞいていた。

試乗に行くことを話した時、愛は喜ぶよりも驚いていた。何事にも慎重な大輔の性格を熟知していたので、あと半年は待つつもりだったという。

「そうそう。このクルマが今年上半期のランキングNo.1らしいんだ。エンジンはあって電気自動車じゃないんけど……、電気モーターで走るらしいよ」

「へぇ~、なんか新しそうな乗り物ね」

「ハイブリッド同様に燃費もいいし、自動ブレーキ※3も付いてて、高速道路だったら運転アシスト機能※4もあるらしいよ」

パソコンでさらにほかのコンパクトカーも調べ、ノートe-POWERを含めて検討車種を3台ほどに絞った。

「新しそうな乗り物、か」

※3 インテリジェント エマージェンシーブレーキ。衝突の可能性が高まるとブザーなどで警告してドライバーに回避操作を促す。万が一の際は自動的に緊急ブレーキを作動させて衝突を回避、または衝突の被害を軽減する

※4 インテリジェントクルーズコントロール/インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)。先行車との車間を自動で保ちながら走行。車線を逸脱しそうな場合はブザーなどでドライバーに警告し、自動でクルマを車線内に戻す力を短時間発生させ、ドライバーがクルマを車線内に戻す操作を促す

ほかとは違う加速

ディーラーへは家族3人で出掛けた。展示されていたノートe-POWERを見るなり愛が「カッコいいね!」と顔を輝かせたが、この日までに試乗した2台でも第一声は同じだった。クルマを買うのがうれしいのだ。

説明を受けた後、試乗を始めてすぐに大輔は驚くことになる。

「え、全然違う!」

大輔はアクセルを踏んだ瞬間にそう口走っていた。候補としていたほかのクルマにはない、力強い加速だった。「2.0Lターボエンジン※5並みのトルクなんですよ」。助手席から自信満々に語る営業スタッフの真意はよくわからないが、アクセルを踏んだ瞬間に引っ張られるような加速は新鮮だった。

※5 ターボ:ターボチャージャーの略。エンジンに強制的に空気(酸素)を送って燃焼させることで、排気量以上のパワーを引き出す。ここでは、ノートe-POWERがターボの付いた2000ccのクルマ並みのトルクを発揮する、ということ

さらに「ワンペダル」なるものを体験。言われたようにアクセルペダルに置いた右足からそっと力を抜くと、ほかのクルマと比べて、明らかに減速する力が強い。そして、ブレーキを踏むことなく、クルマはそのまま停車した。

「おーーーー!」

「この時に回生ブレーキが働いています」

「へぇーーーー! ん、回生ブレーキ?」

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