「働き方改革」をサポートするテンダの実力 人とITのコラボレーションで社会貢献を
コミュニケーションを分析すると企業の姿が見えてくる
具体的にはどういうことか。たとえば、「ありがとう」を示すスタンプの送受信数を過去30日の累計数として表示することで、全体的にスタンプが多ければ社員同士が互いに感謝し合う場を醸成していることがわかる。また、必ずしも成果は出ていないが「ありがとう」の受信数が多い社員の場合は、会社貢献の観点から重要な人材だと再評価することができる。さらに、発言と感情を表すスタンプの増減を月別に追うことで、スタッフの精神面でのケアを促すことも可能になるという。
「TENWAを導入すれば、コミュニケーション頻度と売り上げの伸びが正比例していることがわかります。一番大きなメリットは、TENWAが社員の個人情報データを単に管理するのではなく、集約させることで社内のコミュニケーションを活性化させ、効果的な人間関係を構築したり、気づきを与えたりすることができることです。だからこそ、最適な人事の掛け合わせや採用についても大きな効果を発揮できるのです」
社内コミュニケーションを詳細に分析できれば、社員の会話の中から新しいアイデアが生まれたり、隠れた才能を発掘したり、社内の問題点も浮かび上がらせることもできる。
「それには社員が自分の気持ちを素直に伝えられ、その気持ちをしっかり受け止めてくれる仕組みがなければなりません。社員の中で埋もれている可能性を〝創造〟に変えるために、さまざまな要素を〝見える化〟する大きな武器となるのがTENWAなのです」(中村氏)
AI時代に生きる人をサポートする
もう一つテンダが注力するサービスが、「Dojo(ドージョー)」だ。こちらはマニュアル自動作成ツールでサービスを開始して10年目。東証上場企業の約30%が導入するなど、その実績は2400社以上と圧倒的なシェアを誇っている。09年には第21回中小企業優秀新技術・新製品賞ソフトウエア部門の優秀賞を受賞している。
この「Dojo」の特長は、各種マニュアルや教育コンテンツの作成を飛躍的に効率化させることにある。実際、マニュアル作成の工程数を最大98%削減し、大幅な時短とコスト削減を実現。さらに研修マニュアルなどをデジタルコンテンツ化して、各人が好きな時間にPCやスマホで学習することができる、いわばeラーニングできるようにすることで研修開催のような煩雑な調整を省くことを可能にした。そして、コールセンターなどのオペレーター教育でも、現場実務に即したスタッフ教育の仕組みづくりに役立つという。
「実はDojoは今、RPA(ロボットによる業務効率化)にもつながるツールとして注目されています。それは各人がどのようにシステムを利用したのか、そのプロセスがわかるからです。そのデータを分析することで、今後はAIやIoTも活用し、業務効率化のノウハウとして提供できると考えています」(中村氏)
現在、「Dojo」の活用シーンは他にも広がっており、操作マニュアルや研修コンテンツといった業務だけでなく、動画や音声機能を利用することで、プレゼンテーションや作業指示書などシミュレーションコンテンツとしても活用されている。こうしたITサービスで業務の効率化が進む中、中村氏はテンダのビジネスの将来についてこう語る。
「私たちの究極的な目標は世界で最も使われるビジネスアプリケーションを〝創造〟することです。こんなことができる、あんなこともできる。そんな感動と共感をクライアントに届けたい。AI時代を迎えても、人にしかできない仕事があります。これから多くの人にチャンスが訪れるようにしたい。その手助けをテンダが担っていきたいと考えています」