デジタル変革時代に挑むヘルスケア企業 「For the Patient」の精神で新たな価値創出

拡大
縮小

一方のOCEは、顧客(医療従事者)のタッチポイントとなる製薬企業の営業、マーケティングなどの知識や情報が一つのプラットフォームに統合され、AIが組み込まれたアプリケーションを通じて、それぞれに最適な顧客アプローチが提案されるソリューションだ。これまで機能ごとにサイロ化や分断化に陥りがちだった体制が、この一連のソリューションで企業システムとして一体化を成し、タイムリーかつ精緻に医薬品の適正使用支援を実現する仕組みになっている。

IQVIAではCSO(営業マーケティング受託機関)も持つが、たとえば製薬企業のヒトによる営業活動を支援する位置づけとしてこのAI機能を持つOCEを活用することにより、営業活動としての質の向上や、活動を通じての医療や患者への貢献をとことん考えていくといった、ヒトならではの部分に力を注げることになるという。このOCEはグローバルで昨年11月にローンチしたのち、日本の環境に適応させるように現在ローカライズを図っており、今秋以降の提供を目指している。

先進的なソリューションで医療・ヘルスケアに貢献

遠くない将来、先進的なデータとR&D Technologyをフル活用した臨床開発アプローチとOCEによるソリューションを本格的に提供できるようになれば、医薬品のライフサイクルの最適化を図る顧客へのサポートを通じて、より早く患者が必要な治療・医薬品を届けられるよう全力を挙げて支援していく。これこそまさに、IQVIAの根底に流れるモットーである「For the Patient(すべては患者のために)」の体現にほかならない。

人口減少社会に突入し、経済の低成長が見込まれる日本は、画期的な医薬品を開発する海外の製薬企業にとってマーケットとしての魅力が薄れつつある。その結果、世界と日本とで使える医薬品のギャップが生じかねず、よりよい治療を待ち望む人々に最適な医療が届かなくなる恐れが潜んでいる。

だが、治験プロセスや開発リソースを最適化し、生産性の向上を図るためのソリューションが製薬企業に提供されれば、日本でよりよい治療薬の実用化が他国に比べ遅れるというリスクも回避できる可能性が高くなる。その意味において、熱い志を持つIQVIAが果たす役割は、非常に意義深いものと言えよう。

ライフサイエンス企業の事業効率化や生産性向上に資することで、これからの日本の医療の最適化、ひいては患者のベネフィットに寄与するヒューマン・データ・サイエンス・カンパニーの活躍に大いに期待がかかる。

お問い合わせ
IQVIA ジャパングループ