イオンモールが挑む業界初の人材発掘の試み 1000名以上が働く職場を復興のシンボルに

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2018年6月に開業予定のショッピングセンター「イオンモールいわき小名浜」(福島県いわき市)の開業に向けて、イオンモールが総合人材サービスのPERSOL(パーソル)グループと組んで業界初の挑戦をしている。日本全体で人材不足の中、新たなモールの開業には1000名単位での採用が必要となる。

「モール内に出店する専門店の求人は、一般的に専門店が人材を募集し採用するが、今回はイオンモールが専門店が確定する前から『イオンモールで働きたい人』を募集している」

いわき市で取り組む背景や進捗について、イオンモール常務取締役の藤木光広氏と、パーソルホールディングス グループ営業本部長の渋谷和久氏に聞いた。

イオンモールいわき小名浜を復興のシンボルに

イオンモール常務取締役
リーシング本部長
藤木 光広

藤木 いわきは東日本大震災で大きな被害を受けました。今回開業する「イオンモールいわき小名浜」計画地周辺は、水族館の「アクアマリンふくしま」などのほか、観光物産センターなどもある福島県内屈指の観光スポットです。

私たちは、ショッピングセンターとして復興やにぎわい創出に貢献するとともに、地域の皆様の安全・安心を守る「防災モール」としての取り組みも行っています。建物は地上5階建てで、万一の津波の際も、想定される最大浸水高を確保するために1階を駐車場としており、災害時には3階~屋上階が避難階となります。

渋谷 復興のシンボルとなるモールになりそうですね。一方で、人手確保が全国的に課題になりつつあります。パーソル総合研究所では、2025年に日本全体で583万人の人手が足りなくなると試算しています。特に卸売・小売では188万人が不足するという見込みです。大げさでなく今後企業は、選ぶ側ではなく、求職者から選ばれる存在にならなければ持続的な成長ができない時代になるでしょう。

今回、「イオンモールいわき小名浜」の開業にあたっては、PERSOLグループもプロジェクトに参加させていただいていますが、貴社のようなディベロッパーが専門店の人材確保を支援するという、業界では前例のない取り組みを行われていますね。

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