負け組食品メーカー 営業マネージャーの成功物語 東経食品を劇的に変えたクラウドサービスとは!?
石原三樹、出会う。
そのクラウドサービスを知ったのは、石原が愛読するビジネスメディア『東洋経済オンライン』の記事だった。問題意識を持っていた石原の目に「情報共有」「効率化」の文字はすぐに飛び込んできた。石原がもともと勤務していた商社では、大規模のERPが導入されていた。そんな石原にとっては、ITシステムの利点は感じていたし、導入についての抵抗感はなかった。
ただ、お世辞にも多額のシステム投資ができる体力があるとはいえない東経食品において、ITシステム導入は無縁のものだとどこかで諦めていたのかもしれない。だからこそ、石原は、このクラウドサービスが掲げていた「今あるデータを最大限に活用できるビジネスアプリが揃った業務改善クラウド」というコピーが魅力的に映った。
そのクラウドサービスは「kintone(キントーン)」。サービスの内容を簡単に説明するとこうだ。案件管理・顧客リスト・議事録管理・ToDoリストなど、業務に役立つアプリが50種類以上用意されていて、自社の業態や職種にあわせて選択できる。また、簡単にチームで情報を共有・集約でき、業務の効率化が図れる。
簡単に言ってしまうと、すでに用意されている優れたITシステムを使って情報共有することで、社内を活性化し、効率を上げること。東経食品がまさに今抱えている問題の解決方法といえた。
ただ、導入するとなると反対や抵抗する意見もそれなりにあった。
「忙しいのに、なぜこれ以上面倒な操作を覚えて作業しなければいけないんだ」
「情報共有なんて必要あるの?口頭で十分じゃないか」
もちろん新しい取組みがうまくいくか石原にとっても不安はあった。だからこそ、事前の下調べや比較検討を徹底的に行った。kintoneのウェブサイトでは、動画なども使い、そのメリットが丁寧に解説されていた。特に石原の背中を押したのは、似たような企業の導入事例だった。
「知の共有」と「業務効率化」を課題に感じていた石原にとって、まさに運命の出会いに思えた。導入時にもっとも障害となる価格面においても申し分ない。
「いつやるんだ? 今でしょ!」石原は導入を決めた。