短期間で英語力を上げる「時短英語」とは? 言語習得の科学が、学び方改革を実現
ENGLISH COMPANYでスタジオ・マネージャーを務める板井千晶氏が言う。
「本屋さんに行けば、英語学習メソッドについての書籍はたくさんあります。でも、ご自身にとって最も効果的なメソッドは簡単には見つかりません。なぜなら、ご自身の課題を正確につかむことは難しいことだから。たとえば『リスニングが苦手』という場合、聞けないということは表面的な現象に過ぎません。
聞けない理由はなんなのか、語彙なのか、文法なのか、あるいは英語の音についての知識の不足や、意味処理のスピードが遅いせいなのか。そういった聞けない理由となっていることこそが克服すべき”課題”です。私たちは、言語習得のプロセスについての知識をもとに課題を正確に発見し、その課題の解決に最も適したトレーニング法だけを提供します。
さらにその課題をクリアしたあとは、次の課題へアプローチするのです。それぞれの方に最適な処方箋を最適なタイミングで書いているのと同じです。そのため単位時間当たりの学習生産性が高いのです」
板井氏は東京外国語大学卒。卒業後は英会話学校の講師も務めた。しかし第二言語習得研究については恵学社に入るまでは一般教養科目レベルの知識しかなかったという。
「第二言語習得研究を知り、自分がこれまでいかに無駄なことをたくさんしてきたかということに気づかされました。また私自身が一般的な英語学習を経験してきた上で、第二言語習得研究を用いたトレーニングに携わっているため、一般的な英語学習で勉強をしてきた受講生の方がどこでつまずいてしまうかがよくわかります。今は科学的根拠に基づいて教えているという確信がありますし、成果も出ているので、毎日がとても充実しています」
学習が習慣化するしくみをつくる
受講生は週2回スタジオに行き指導を受ける。このときは課題発見のためのカウンセリングだけでなく、ディクテーションやシャドーイングなどの実践的なトレーニングも行う。正しい”フォーム”で自主トレを行うためには、対面トレーニングでのアドバイスが不可欠だからだ。学習が進むにつれ、課題も変わってくるため、受講生の進捗度に応じてその都度課題を探り、その時点で最適なトレーニング法を適用する。
最近は短期集中型のパーソナルトレーニングを売りにする英会話学校が増えているが「第二言語習得研究を大学院で修めたスタッフが創業時から在籍し、英語学習の現場にここまで落とし込んでいるところは私たちだけです」と、岡代表は語る。
しかし、いくら科学的知見に基づく学習法だからといって、週2回のトレーニングだけでここまで高い成果をあげられるものだろうか。その点について岡代表はこう説明する。
「私たちは中高生を対象にした学習塾からスタートしています。勉強しなさいと言ってもやらない子に、いかに継続的に学習させるかを徹底的に考えてきました。その結果、努力や根性の精神論を唱えたりモチベーションの向上を図ったりするのではなく、行動科学に基づいた仕組みをつくれば、やる気がなくても勉強することが習慣づくことを学んだのです」