公用語が英語に!その時、社員のホンネは? HDEではTOEIC270点でも何とかなるらしい

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三宅:ただ、一方で、HDEの社内にもグローバルメンバーと呼ぶ外国籍の社員が増え始めていましたし、役職が上がってきたことが危機感を高めました。リーダー、マネジャーとなるにつれて、他部門とのやり取りが増えて、レポートや発表を英語でする必要が出てきました。グローバルメンバーの発表を聞いて英語でコメントする必要も出てきました。

社内に掲出されるものはもちろん英語。本社のある渋谷区のゴミの分別方法もしっかりと示されている

新井:また説明させてもらいますね。HDEでは、評価制度、人事考課にTOEICの点数が関係しています。新卒から部長クラスまでの5段階の「段」があり、それぞれの昇段にTOEICの一定の点数が必要です。足りない場合は、点数を目標設定として掲げて勉強します。とは言っても、当社に入ってから勉強すれば問題ありませんし、三宅の言うように役職と共に仕事で英語の必要性も高まりますから、自然と勉強する気になるものです。

三宅:そうして必要に迫られるようになり、再度QQ Englishも始めました。今度は違うカリキュラム(カランメソッド)に取り組んだところ、自分に合っていたようで今度は勉強が続いています。最近では、TOEICの点数も660点まで上がってきました。

東経:スタートから倍以上!

フリーアドレス制を採用するHDEでは、パソコンなどの仕事道具はロッカーに。出勤時や退勤時には、ロッカーで英語の会話が飛び交う

「お酒を飲みながら」だからこそ学べる

東経:英語の勉強のために工夫していることはありますか。

三宅:グローバルメンバーが増えているといっても、英語を使う必要があまりない職種もあります。そこで私が主催して、お酒を飲みながら英語で話をする場として「マンスリーセールスセッション(MSS)」を営業部隊向けに毎月実施しています。

グローバルメンバーや英語が話せる日本のメンバー、そして英語を勉強したいメンバーが参加して英語でコミュニケーションを取る場です。お酒が入るので盛り上がりますし、仕事以外の話もできるので良い機会になっています。TOEICでは、「ランチ食べた?」とか「飲みに行こうよ!」といった勉強はできないですから。

新井:あと、会社全体としてはコミュニケーションランチというものもあります。コミュニケーションを活性化する施策として昨年から始まったもので、隔週でオフィス内にケータリングサービスを呼び、アルバイト、派遣、社員など、誰でも参加OKとなっています。もちろん英語で話すので、この場も英語学習に役立っています。

多国籍、他宗教の人が働くだけに、コミュニケーションランチでもムスリム、ヴィーガンなどに配慮したメニューもそろえている

東経:みなさん、英語に対する意識は高いんでしょうか。

三宅:確かに高い人が多いですが、だからといってすべてうまくいくわけではありません。実は、朝の勉強会も開催しているんですが、これは本気すぎたためか、だんだん参加者が減ってきてしまっています。福利厚生だよ、おカネかからないよ、と言っても、モチベーションを維持して日常の勉強につなげるのは難しいところです。楽しい方向に持っていくような努力が必要だと実感しています。

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