Slackフル活用、情シス主導の働き方改革 受付の省人化、会議室の利用率上昇に成功
それ以前はエラー通知をメールで受けていたが、メールを読むためにはメーラーを立ち上げたり、画面を切り替えたりする必要があった。Slackであれば、普段のコミュニケーション用につねに画面を開いているため、通知が届いた際も画面を切り替える必要がない。これにより大きくムダを削減できたという。
全社導入以降、常駐するパートナーの社員を含め、約200人がSlackを利用し、「導入前に想定していた以上にいろいろなメリットを感じました。開発部門のようにITに強い社員だけでなく、営業や総務などの社員も積極的に使っています」と、同じく情報システム部門の穂坂栄一氏は語る。
Slack導入後に大きく変わったのが社員同士のコミュニケーションだ。穂坂氏は「今では社員同士のやり取りは完全にSlackだけになり、導入以前よりも大幅にコミュニケーションが増えました。メールは外部とのやり取り以外には使っていません」と話す。
社員間のコミュニケーションが活発になったのには、Slackが備える機能やインターフェースが関係しているという。「気楽に連絡したり、リアクションを取ったりしやすいんです。以前の社内SNSは、”Like”ボタンしか感情を表すボタンがないし、文章を投稿する場合も”体裁をしっかりしないと”と感じさせるインターフェースでした」(川竹氏)。
一方、Slackの場合、絵文字が使えることもあり、くだけたコミュニケーションが取りやすい。特に社員がよく使っているのは、”見ざる言わざる聞かざる”を表現した猿の絵文字で、「自分にとって好ましくない連絡を見なかったことにしたい」というときに使うそうだ。そのほか、「終えました」という意味の”Done”や、「冗談で、社員の写真を切り取って絵文字代わりに送ることも流行っていますよ(笑)」(穂坂氏)。
メールでは起こりえないコミュニケーションだ。
リアルな対話にもSlackが有用
少し話をしたいのに同僚が席にいない、という時にも、HDEではSlackを活用している。個人のPCが社内のどのWi-Fiと接続しているかを自動で把握するシステムを構築し、そのデータにSlack上からアクセスできるようにしているのだ。
「Slack上でbotに話しかけると、当該社員の居場所を教えてくれます。対面で話したほうが素早く解決するような内容に関しては、対面でのコミュニケーションを推奨しています」(穂坂氏)