
労働力の減少と共に、労働者の生産性向上が日本企業の喫緊の課題となっている。クラウド型のセキュリティサービスなどを手掛けるHDEではどのように働き方改革に取り組んでいるのか。HDEの情報システム部門に話を伺った。
自社製品の徹底活用+クラウドを使い倒す
マネジャー 川竹茜氏
一般的には、働き方改革を主導するのは人事や総務部門が多いが、HDEでは情報システム部門がその重責を担っている。
「当社の情報システム部門は社内システムの運用や調整といったことのほかに、2つの大きなミッションが与えられています。それは『自社製品を徹底的に利活用する』ということと、『他社に先駆けてクラウドを使い倒す』ということで、そのため私たちの組織は社長直下におかれ、機動力を持たせてもらっています」
こう語るのは、情報システム部門マネジャーの川竹茜氏。川竹氏が言う「自社製品の利活用」については、同社の主力サービスである「HDE One」を使って、さまざまなサービスを導入済みだ。
たとえば、私物、社用問わず、社員のスマホで外出先からセキュアにクラウドサービス(Office 365、G Suiteなど)へアクセスできる環境づくりや、HDE Oneを通じてさまざまなクラウドサービス(Salesforce、Dialpad、
「クラウドを使い倒す」ということに関してもさまざまな施策を講じているが、その中でも、最近HDE内で評判が良いのがSlackだ。
Slackはチャットなどが可能な社内SNSであると同時に、さまざまなシステムやアプリケーション、クラウドサービスなどを接続するハブのように利用できることが特徴のツールだ。この機能により、コミュニケーションをするのと同じ画面上で、外部のさまざまなシステムやアプリケーションを操作することができる。
「最初は開発部門が使い始めました。提供しているクラウドサービスで何らかのエラーが起きた際に、Slackの画面上でその通知を受けられるように設定したことがきっかけでした」(川竹氏)
それ以前はエラー通知をメールで受けていたが、メールを読むためにはメーラーを立ち上げたり、画面を切り替えたりする必要があった。Slackであれば、普段のコミュニケーション用につねに画面を開いているため、通知が届いた際も画面を切り替える必要がない。これにより大きくムダを削減できたという。
全社導入以降、常駐するパートナーの社員を含め、約200人がSlackを利用し、「導入前に想定していた以上にいろいろなメリットを感じました。開発部門のようにITに強い社員だけでなく、営業や総務などの社員も積極的に使っています」と、同じく情報システム部門の穂坂栄一氏は語る。
穂坂栄一氏
Slack導入後に大きく変わったのが社員同士のコミュニケーションだ。穂坂氏は「今では社員同士のやり取りは完全にSlackだけになり、導入以前よりも大幅にコミュニケーションが増えました。メールは外部とのやり取り以外には使っていません」と話す。
社員間のコミュニケーションが活発になったのには、Slackが備える機能やインターフェースが関係しているという。「気楽に連絡したり、リアクションを取ったりしやすいんです。以前の社内SNSは、”Like”ボタンしか感情を表すボタンがないし、文章を投稿する場合も”体裁をしっかりしないと”と感じさせるインターフェースでした」(川竹氏)。
一方、Slackの場合、絵文字が使えることもあり、くだけたコミュニケーションが取りやすい。特に社員がよく使っているのは、”見ざる言わざる聞かざる”を表現した猿の絵文字で、「自分にとって好ましくない連絡を見なかったことにしたい」というときに使うそうだ。そのほか、「終えました」という意味の”Done”や、「冗談で、社員の写真を切り取って絵文字代わりに送ることも流行っていますよ(笑)」(穂坂氏)。
メールでは起こりえないコミュニケーションだ。
リアルな対話にもSlackが有用
少し話をしたいのに同僚が席にいない、という時にも、HDEではSlackを活用している。個人のPCが社内のどのWi-Fiと接続しているかを自動で把握するシステムを構築し、そのデータにSlack上からアクセスできるようにしているのだ。
「Slack上でbotに話しかけると、当該社員の居場所を教えてくれます。対面で話したほうが素早く解決するような内容に関しては、対面でのコミュニケーションを推奨しています」(穂坂氏)
このほかにも、HDEはSlackを発展的な用途で活用している。その一つが、受付システムだ。受付のタブレットとSlackが連動しており、訪問者がタブレットでHDEの担当を入力すると、直接担当に通知が届くようになっている。

会議室の利用状況を検知する機能はとてもユニークだ。HDE内の各会議室には人感センサーが設置されており、カレンダーシステムと連携している。予約されているのに使われていない会議室があった場合、無人であることを感知し、オーナーにSlackで通知。オーナーのレスポンスがない場合、会議室予約を自動解除してしまう。会議室の効率的な利用に役立てているのだ。
そして川竹氏は最後にこのように付け加えてくれた。
「待ったなしで成長期を駆け上がっている当社です。やりたいことはどんどん実現できる。それが当社の社風です。スピード感を持って、共に成長できるコーポレートスタッフを広く募集しています。変化を糧に成長できる人、猛勉強で変化に追随できる人、ぜひ当社の門をたたいていただけたらと思います」
現代では、働きやすい環境づくりという職場の変化だけでなく、人材にも変化が求められる。HDEはその両方を目指すことで、成長を続けようとしている。