外国人の方が「日本の魅力」を知っている?! 知ればいつもの当たり前が「格別」に変わる
外国人が好む日本の情報を集めて発信する「タイムアウト」によれば、その職人ワザは日本人にとってはありふれた座布団にも生きているという。折りたたんだ綿を特別な方法で何層も重ねるのは、隙間なく綿をつめて完全な正方形の座布団をつくるため。それにより、クッション性をキープ、座り心地の良さを何年にもわたって保つという。
「日本らしい」と人気の畳も、ワラを一本一本積み重ねてつくる畳床を部屋の大きさに合わせて裁断し、それを覆う畳表と縁を縫い付ける。さらにワラを入れながら調整し縫い締めて、ハリの良い型崩れしない畳へと仕上げる。
こうした畳づくりの見学、その工程をカンタンに体験できるワークショップなどもあり、外国人の参加が増えている。海外では畳を見る機会がそもそも少なく、日本に来て初めて見て興味を持つという人も多いようだ。さまざまな畳縁から自分好みの柄を選んでミニ畳をつくるワークショップもあり、外国人に喜ばれているという。
お土産として人気の日本包丁や扇子・うちわも、しかりだ。硬さの違う金属を二つ以上あわせてつくるものが日本包丁に多いのは、衝撃に強く折れにくくするため。熱する、冷やす、たたくを繰り返して整形、研ぐことで鋭い切れ味を実現している。
外国人観光客が多く集まる東京・合羽橋には、いくつか包丁専門店もあり、日本包丁を吟味する外国人の姿がたくさん見られる。詳しく調べたうえで店に来る外国人がほとんどで、中には職人や鍛冶屋指定で包丁を買いに来る客もいるというから驚きだ。こんなに日本包丁が支持されている大きな理由は、やはり切れ味にあるという。しかも、研げば切れ味がよみがえり長く使え、種類も豊富なため何本も包丁を買っていく外国人も珍しくない。
扇子やうちわは、竹を切って長さをそろえ皮を剥いだ後、割って削いで厚さを整え一本ずつ放射状に並べて和紙とあわせる。その間に水につける、磨く、もむ、炙るなどのいくつもの工程を入れることで美しい弧を描く丈夫な扇子・うちわへと仕上げる。
こちらも、老舗専門店を事前に調べて足を運ぶ外国人が多くいて、自分好みの柄を探して買っていくそうだ。日本っぽさを感じる古典柄や藍色、桜をあしらったもの、漢字が入っているものが人気。日本の伝統工芸品、手づくり文化ともいうべきものを手軽に楽しめると、家族や友だちにと何本も買っていく客も少なくない。