「派遣エンジニア」という働き方の真実 現役が語る「技術者一筋」を選べる派遣

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齋藤さんが携わるのは、スマートフォンやモバイル端末、家電、自動車まで、様々なショーや展覧会向けに唯一無二の製品を試作なしで作り上げる「高度なものづくり」だ。

「3D-CAD(3次元設計システム)で設計をし、CAE(解析・シミュレーター)で解析をして強度を検討しながら、製品を作っていきます。自分が携わった製品がお披露目されたり、実際に商品が販売されているところを目にしたりするとやっぱりうれしいですよね」と笑顔で語る。

齋藤さんが考えるもう一つのメリットはこの点にある。つまり、充実感を得ながら、好きな業界、好きな分野など、やりたい仕事にチャレンジできることだ。

「現在は自動車関連の設計をしていますが、その前のお客様では家電の設計に携わっていました。私は色々な分野に挑戦したいタイプなので、正社員という安定した立場で様々な企業の開発・設計が可能な今の働き方が合っていると思います。お客様や製品が変わるたびに勉強しなければならないことは増えますが、新しい発見も多く、むしろ楽しみです。これまで複数メーカーへの派遣のほか、社内の受託設計開発(請負)で複数案件の開発・設計業務にあたりました。全てが現在の仕事に活きています。さらに経験を積み、将来はCO2の排出削減など、地球環境問題の解決につながるような製品づくりに携わりたいです」

日々の業務で経験を積みながら、自分の可能性を広げることができるわけだ。齋藤さんの願いも、いずれかなうに違いない。

時流に合わせて最新技術を活かした製品を開発

ものづくりメーカーから、あえて技術者派遣に転じ、活躍している人もいる。武井隆司さんもその一人だ。学生時代の専攻は電気工学で、大学卒業後、1999年に総合電機系の部品メーカーに入社した。

武井隆司さん

「前職では光ピックアップと呼ぶ、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)、ブルーレイ・ディスクレコーダーなどの記録データをレーザー光で読み取る際に使う部品の開発に携わっていました。ものすごく好調な時期もありましたが、その後社会全体の需要が減少し、競合他社の撤退などもあり、この製品の将来に不安を感じるようになりました」と武井さんは振り返る。

時代のニーズに合わせた製品に特化するのが大手メーカーのセオリーだが、激しい市場環境の変化に柔軟に対応するのは容易ではない。

「一方で、市場の中には必ず好調な分野、好調な企業があります。技術者派遣の働き方は、いつでも、その時々に元気で忙しいお客様を支援するものであり、社会全体の潤滑油のような働き方です。開発する製品が変わることにも魅力を感じています。新しい製品、新しい技術に触れられるのは、とても楽しいです。また、正社員なので雇用が安定しており、シニアまで長く働ける点も大きな魅力です。このような考えで無期雇用型の派遣という働き方を選びました」

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