センコーが創る未来潮流の戦略とは? 「物流」の枠を超えた変革と挑戦
成長を続ける物流会社「センコー」
さまざまな領域でビジネスの根幹を支える「物流」。ネット通販の増加、大型スーパーや量販店、コンビニエンスストアなどの広域化に見られるように、「物流」は量的にも質的にも大きな変化の時を迎えている。そうした激動の中にあって目覚ましい成長を遂げているのが、センコーグループホールディングス株式会社(以下、センコーグループ)である。同社は創業から100年を超える長い歴史を持ちながら、変革を恐れず、既存の枠を超えることに挑戦し続け、確かな地歩を築いてきた。
2017年3月期の売上は約4600億円になり、14期連続で増収を達成し、業界トップクラスの地位を堅持。国内外の物流拠点で合計300万平方メートルを超える保管面積、4400台以上の自社車両を有し、いまや国内屈指の事業規模を誇る。
つねに物流を超えてきたセンコーの強み
物流の役割は、単にモノを運ぶだけに留まらず、ますます多様かつ複雑になっている。その中でセンコーグループは、従来の物流の枠を超えて事業を拡大することで、より大きな顧客価値を生み出している。業界に先駆けて培ってきた高度なITシステム技術とコンサル力を駆使し、原料の調達から生産・製造、輸送、保管、さらに販売までサプライチェーン全体を見据えて物流システムを構築することもそのひとつだ。「最適なサプライチェーンマネジメント(SCM)を提案するために、自ら商社機能を持ち、商品開発や買い付けを行ったり、商品の組立・加工や補修、店舗での棚別仕分けをしたりするなど、お客様の業務のアウトソーシングに対応。物流を超えて商流にまで事業範囲を広げることで、お客さまの製造や販売を今まで以上にサポートできるようになりました」と福田社長が語るように、物流と商流、情報が一体となることで、小売業界をはじめファッションや食品、住宅、ケミカルなど多様な分野でこれまでにないソリューションを提供している。
中でもセンコーグループの強みは、国内はもとより海外にも物流センター、事業拠点を有し、スケールメリットを生かして国内外の一貫物流や海外ビジネス展開の効率化を提案できるところにある。海運業を起源にする同グループは海上輸送にも長けており、加えて国内でも鉄道輸送を中心としたモーダルシフトにも取り組み、物流のさらなる効率化や環境負荷低減を進めている。
より一層の生産体制強化に向けて
センコーグループは2017年4月、持株会社体制に移行しグループ体制を強化した。2017年度からの5カ年の中期経営計画を策定。現在、売上7000億円という高い目標に挑んでいる。