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センコーが創る未来潮流の戦略とは? 「物流」の枠を超えた変革と挑戦

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  • センコーグループホールディングス 制作:東洋経済企画広告制作チーム
物流大手であるセンコーグループホールディングス株式会社。複雑化、多様化が進む物流業界の変動をビジネスチャンスと捉え、物流のみならず、商流へも事業を拡大する戦略で近年目覚ましい業績を上げている。2017年4月、持株会社体制へ移行してセンコーグループホールディングス株式会社となり、グループが一体となって物流・商流の拡大を目指す体制を整えた。2017年度からの中期経営5カ年計画では売上目標7,000億円の達成に挑む。物流の枠を超えて、より広い領域で「未来潮流」を創ろうとするセンコーグループの成長戦略を取材した。

成長を続ける物流会社「センコー」

さまざまな領域でビジネスの根幹を支える「物流」。ネット通販の増加、大型スーパーや量販店、コンビニエンスストアなどの広域化に見られるように、「物流」は量的にも質的にも大きな変化の時を迎えている。そうした激動の中にあって目覚ましい成長を遂げているのが、センコーグループホールディングス株式会社(以下、センコーグループ)である。同社は創業から100年を超える長い歴史を持ちながら、変革を恐れず、既存の枠を超えることに挑戦し続け、確かな地歩を築いてきた。

2017年3月期の売上は約4600億円になり、14期連続で増収を達成し、業界トップクラスの地位を堅持。国内外の物流拠点で合計300万平方メートルを超える保管面積、4400台以上の自社車両を有し、いまや国内屈指の事業規模を誇る。

つねに物流を超えてきたセンコーの強み

物流の役割は、単にモノを運ぶだけに留まらず、ますます多様かつ複雑になっている。その中でセンコーグループは、従来の物流の枠を超えて事業を拡大することで、より大きな顧客価値を生み出している。業界に先駆けて培ってきた高度なITシステム技術とコンサル力を駆使し、原料の調達から生産・製造、輸送、保管、さらに販売までサプライチェーン全体を見据えて物流システムを構築することもそのひとつだ。「最適なサプライチェーンマネジメント(SCM)を提案するために、自ら商社機能を持ち、商品開発や買い付けを行ったり、商品の組立・加工や補修、店舗での棚別仕分けをしたりするなど、お客様の業務のアウトソーシングに対応。物流を超えて商流にまで事業範囲を広げることで、お客さまの製造や販売を今まで以上にサポートできるようになりました」と福田社長が語るように、物流と商流、情報が一体となることで、小売業界をはじめファッションや食品、住宅、ケミカルなど多様な分野でこれまでにないソリューションを提供している。

中でもセンコーグループの強みは、国内はもとより海外にも物流センター、事業拠点を有し、スケールメリットを生かして国内外の一貫物流や海外ビジネス展開の効率化を提案できるところにある。海運業を起源にする同グループは海上輸送にも長けており、加えて国内でも鉄道輸送を中心としたモーダルシフトにも取り組み、物流のさらなる効率化や環境負荷低減を進めている。

より一層の生産体制強化に向けて

センコーグループは2017年4月、持株会社体制に移行しグループ体制を強化した。2017年度からの5カ年の中期経営計画を策定。現在、売上7000億円という高い目標に挑んでいる。

まずはこれまで以上にグループのシナジー効果を発揮させ、物流・商流の拡大に重点を置く。そのために不可欠なのが、物流センターの拠点拡充だ。計画では、2016年度に322万平方メートルだった保管面積を5年間で400万平方メートルにまで増やすとしている。とりわけ国内に冷凍・冷蔵倉庫を増やし、高度な品質管理システムで低温物流に強みを持つグループ会社と連携し、食品や医薬品などの冷凍・冷蔵物流で受注拡大を狙う。

また冷凍・冷蔵の保管・輸送機能の拡大は、海外物流においても肝になる。「まず中国で8カ所に物流センターを新設し、中国国内での冷凍・冷蔵物流のネットワークを構築します」と語る福田氏。加えて、ミャンマーをはじめ、ASEAN各国でも冷凍・冷蔵物流を拡大させることを計画する。日系企業に加え、現地のローカル企業にも対象を広げて新市場の開拓を目指す。

物流センターの拡充と並んで生産体制の強化の一環に据えられているのが、自社車両台数の増大だ。「台数を増やし、自社車両比率を高めることが、新規顧客開拓や輸送の効率化、生産性向上につながります」と福田氏は意図を語る。

新規事業への展開と拡大を支える人材教育

さらに中期経営計画では、ライフサポート事業や農業事業などの新規事業の積極的な展開にも重点を置いている。ライフサポート事業では介護事業を中心にすでに収益をあげており、今後は中国展開も視野に入れて一層の事業拡大を図っていくという。こうした事業拡大のため、必要に応じてM&Aや業務提携も積極的に推進する。

グループの成長においてはそれを担う人材が欠かせない。特に今後自社車両を増やしていくには、ドライバーの育成が不可欠になる。センコーグループでは、早くからドライバーをはじめとする人材教育に力を注いできた。滋賀県東近江市にある交通安全・物流研修施設「クレフィール湖東」で、従業員の物流・交通に関わる技能とスキルの向上を図っている。同施設は2016年10月、滋賀県公安委員会から大型自動車免許の「指定教習所」に指定された。物流業界全体で人手不足が深刻化する中、自社でドライバーを育成できる意味は大きい。

今後さらに物流の枠を超えていくための基盤を着々と築きつつあるセンコーグループ。これまでになかった新しい物流・商流の潮流をセンコーグループが先導していく。

高水準の教育環境で「現場力」のある人材を育成

センコーグループでは、物流の品質と生産性を高める「現場力」を重視し、それを担う人材の育成に力を注いでいる。1996年に開設した日本最大級の交通安全・物流研修施設「クレフィール湖東」では、全ドライバー、オペレーターを対象に運転技術と物流知識を高める研修を実施。一人ひとりの「現場力」を鍛えるとともに、指導者となるトレーナーも育成。各現場で「現場力」の浸透を図っている。

代表取締役社長 福田 泰久

Top interview
「未来潮流」を創るセンコーグループの今後の戦略は?

――2004年に社長に就任されて以来、飛躍的な成長を遂げてこられました。

福田 当グループの強みは、300万平方メートルを超える保管面積を誇る物流センターを核とした国内外の物流ネットワークを生かし、物流・商流・情報が一体となって最適なSCMを提案できることにあります。

他に先駆けてITシステム構築や商流への事業拡大に取り組み、失敗も重ねながら培ってきた独自のノウハウこそが財産。一朝一夕には他の追随を許さない優位性があると自信を持っています。

――2017年度から5カ年計画で始まった中期経営計画について聞かせてください。

福田 まずは物流・商流事業、海外事業、新規事業を含めて事業領域の拡大に全力を注ぎます。物流・商流の一体化を一層進めるとともに、海外事業では、国際物流に加えて貿易事業も拡大を図ります。

さらにブランド価値の向上や従業員満足度の向上も重点施策に位置づけています。

――事業を推進する原動力として、とりわけ「人材」を重視されていますね。

福田 物流現場でモノを運ぶ「人」は、当グループにとって商品そのものです。私が社長に就任して以降、「クレフィール湖東」での人材教育を従来以上に行うようになって、お客様から「現場が変わった」と高い評価をいただくようになりました。それが新規受注につながったことも少なくありません。従業員には能力を高めるだけでなく、働きやすい環境で、健康に生き生きと自分の力を発揮してほしい。その願いを込めて「センコーグループ健康経営宣言」を発表しました。2008年から社員の健康管理や健康増進活動に取り組んできましたが、今後さらにそれらを充実させていきます。

また社員のチャレンジを支援する制度として「社内起業支援制度」を創設。従業員から新しい事業のアイデアを募り、実現性が高いと判断したら会社が全面的に事業化をバックアップします。

そうした従業員の意欲的なチャレンジを後押しする社風が、当グループの挑戦する力だと考えています。

――「未来潮流を創る企業グループ」を目指すとされています。ビジョンとスローガンに込めた思いを聞かせてください。

福田 既存の「物流」を超えてサプライチェーンの多様な領域にも事業を拡大し、物流・商流の新しい「潮流」をセンコーグループが創っていきたいと考えています。

「Moving Global物流を超える、世界を動かす、ビジネスを変える」のスローガンのもと、世界をフィールドにお客様のビジネスに変革をもたらす。センコーグループ一丸となってその達成に挑んでいきます。